葬祭ディレクターの立場とスキル

「葬祭ディレクター」というのは、厚生労働省の認定を受けた葬祭業者
のこと。葬祭業に携わる人のために知識と技量の向上を図ることと、葬
祭業者の社会的地位の向上を目的に「葬祭ディレクター技能審査」とい
う資格制度が、1996年に創設されました。「葬祭ディレクター技能
審査」は、葬祭サービスを提供するのに相応しい人材であるかを総合的
に、そして客観的に評価するものです。

「葬祭ディレクター」の資格には、1級と2級があります。それぞれの
級に受験資格があり、指定の葬祭実務経験がなくては受験できないこと
になっています。試験は学科試験、幕張、接遇、司会、実技筆記などが
あります。

学科試験では、葬儀とそれに関連するものの知識を問われます。葬儀に
関する仕事内容を正確に理解していることが必要。そして社会的環境、
公衆衛生、法律、行政手続き、遺族心理、宗教などの知識も質問に出て
きます。

幕張は、葬儀式場の設営のための基礎能力があるかを確かめられます。
自宅や寺院、斎場で式場設営ができるかどうかの基礎技術を問われます。
まず葬儀屋は幕張ができて一人前とも言われます。どのような場所、ど
のような広さでも完璧に幕を張るのは意外に難しいもの。ここでは伝統
的な式場装飾法の「幕張装飾技法」の習熟度が判定されます。

接遇では、葬儀の担当者として弔問客への基本的な応接能力が問われま
す。遺族や会葬者に対しての表現、言葉遣い、態度、姿勢、発声などが
審査の対象。

司会は、葬儀運営の基礎能力が評価されます。どれだけ葬儀式と告別式
の内容を理解し、参列者への配慮を怠らず適切な案内や進行ができるか
を審査されます。その他にも必要な日本語表現力、文章表現力があるか、
またマナーに対しても評価対象となります。

実技筆記は、消費者に適切なアドバイスができるかどうかの能力が評価
されます。消費者の目線で、どれだけ適切かつ正確に葬儀というものを
説明できるか、またサービス業に必要である一般常識や基本的マナーが
できているかを判定されます。

かなり広範囲で専門的なスキルを要求されるのが「葬祭ディレクター技
能審査」。葬祭ディレクターの資格がなくても葬祭業は営めます。しか
し「葬祭ディレクターの資格があります」と公言できることによって、
「この人は専門的な知識と技量がある」と世間から認められることも確
かです。

でも、資格があるからといって仕事ができるとは限らないという側面も
あります。資格がなくとも長い実務経験で、立派にプロとしてやってき
ている葬儀屋はたくさんいます。むしろ「葬祭ディレクター」の資格を
かざしている葬儀業者よりも、長年地域に貢献してきた町の葬儀屋さん
の方が、葬儀が終わってからも遺族から頼りにされ、感謝されることが
多いのも事実。

遺族が満足する葬儀を施行することに、資格は関係ないのかもしれませ
ん。消費者にとっては遺族の希望に沿い、誘導してくれる葬儀社が一番
感謝されるということ。

ただ、会社の信用とPRのために、社員に「葬祭ディレクター」の資格
を取らせる葬儀社も増えてきています。

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