遺言書が津波などで流されてしまったらどうなる?

「時代もここまで来たか」と、感慨深いものがありますが、遺言書を安全に保管したいなら、公証役場で遺言書を作り、デジタル保存でバックアップをとっておくのがおススメ。

公証役場は、公正証書の作成や私文書の認証をしてくれる公的な機関であり、そこで遺言書を作成しておけば、法律の効力を十分に発揮できることは言うまでもありません。しかも原本を公証役場で保管してくれるので、信頼も高いもの。

しかし、大災害などが起これば、絶対安心ということはありません。事実、東日本大震災が発生した時には、宮城県石巻市の公証役場の保管庫が危うく津波に巻き込まれるところだったといいます。

「遺言書を公証役場で作りました。頂いた正本を家の金庫にしまっているものの、広域被害が想定される南海トラフ地震で家ごと津波に飲み込まれでもしたら元も子もないですよね」大災害を経験してから、静岡県富士市の中神建造さん(65)=仮名のような心配は誰もが抱えるようになりました。

なにしろ遺言書には、誰に財産を引き継ぐのか、不動産や預貯金をどう分配するのか事細かに記載しているのだから。多くの犠牲者を出した震災を経験したことで、国の意識も変わりました。

全国の公証役場では、遺言書などの公正証書をスキャナーで読み込みデータ化し、保存をする取り組みをはじめたのです。もし公証役場に被害が及んでも、データさえ残っていれば個人の意思は守られるという、画期的な取り組み。

公証役場で遺言書を作るには、手間もかかるし多少の費用が掛かるのは仕方がないこと。愛する家族の安心を考え、後世に禍根を残したくないのなら、エンディングノートだけでなく公正証書遺言書を作ることも必要だと前向きに考えてもらいたいものです。

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