長男は自分を大切にしてくれたから、遺産はすべて長男に・・・

遺言書の作成において、一番多い相談ごと。それは、タイトルにように子どもの間における不平等な相続内容。

「自分の面倒は、次男夫婦がみてくれているのだから、次男夫婦だけに財産を残したい」「三男はもう何十年も顔すら見せにこない。だから一切財産は渡さない」など。

遺言というのは、被相続人(死亡した人)が、自分の意思で、自分の遺産を相続したい相続人(夫、妻、子どもなど)に遺産をわけることを文書で残すものですから、自分の自由にしてよいのです。

このように、本来であれば誰にどのように相続させるかは、被相続人が自由に決められるはずなのですが、法律では、残された相続人が生活を維持できるよう配慮がしてあり、一定の割合で、相続人それぞれの取り分が定められています。これを法律用語で「遺留分」と言います。

ですから「妻(夫)には、一切の財産を渡さず、すべて子どもに」などというような遺言があっても、妻(夫)は、相続人の死後、生活できなくなるようなことが起こらないよう最低限の取り分を相続できる権利が認められているのです。

被相続人は、遺留分を有する相続人に対して「1円たりとも渡さない」という遺言を書いたとしたら、残された相続人がどのような状態になるのか想像する必要があります。

どんなに仲のよい兄弟であろうが、けんかになるだろうとは想像に難くないですし、当然主張してくる遺留分(法律用語で「遺留分減殺請求」といいます)については、法律上必ずその主張をした相続人に渡ることになっています。

はじめからもめごとになることが想像できるのなら、いたずらに混乱させるより、遺留分を考慮して、最低限の取り分は相続人全員に渡るよう被相続人としては配慮するべきではないでしょうか。

被相続人自身の気持ちは当然大切です。しかし、相続人には、個々それぞれに対して配慮するのが、最後の務めだと思います。遺言はあまり偏りがないよう気を配りましょう。

「多少は生前の辛苦を考慮して多めに財産を残そう」という程度の差なら、相続人間の納得もあるでしょうが、一人だけ取り分なしとかでは、もめるのは目に見えています。

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