遺言書は書き方次第で無効になることも・・・

◆遺言書は三種類あります。一つ目(自筆証書遺言)

遺言書には、三種類あります。まず一つ目の自筆証書遺言は、一般的に利用される方法です。全て自分で書いた遺言書のことです。代筆は無効になります。遺言書の内容を秘密にできて、費用がかかりません。

しかし、決められた形式が整っていないと法律的に無効になります。注意点は、日付がないと無効。スタンプ式も無効。2013年12月吉日などの特定できない表現も無効。氏名(戸籍通りのフルネームが良い)を自署し、捺印(認め印も構いませんが実印がベスト)をします。紙の指定はありませんが、パソコンでの作成は無効になります。音声やビデオの映像の遺言も無効です。

その他、不動産の所在地の記載方法は、登記簿謄本と同じように正確に書かないと無効になります。その他の記載内容も曖昧な表現ではなく、具体的に書きましょう。例えば、預貯金は金融機関の支店名、種類まで書くなど。

記載しておくと良いのは、遺産分割をスムーズに進めるために、遺言執行者(遺言の内容を実現するために選任された人)を指定しておきましょう。付け加えることで重要なのは、遺族の方に法定相続分とは異なる相続分の指定をする場合、その理由や心情を明らかにしておきましょう。

できれば弁護士や司法書士など専門家に見てもらい、法的に有効か確認を取っておくと安心できます。

全て内容を書き終えたら、封筒に入れて封印をします。封筒に「開封せず、必ず家庭裁判所の検認を受けること」と書くと良いです。記載内容をそのまま保存する手続き(検認)を受けることになります。

預金などの名義書き換えの手続きには、裁判所が発行する検認済みの証明書が必要です。しかし、証明書が発行されるまで、およそ2か月かかるので、すぐに手続きをすすめたい場合は、自筆証書遺言書は不向きになります。

封筒は、開けても無効にはなりませんが、偽造される危険性もあるので争いが起きる可能性がありますし、開封すると、5万円以下の過料を支払うことになります。

遺言書の保管場所は、紛失をさけて、確実に遺族が発見できるような貸金庫など安全な場所に保管しましょう。

◆遺言書は三種類あります。二つ目(公正証書遺言)

遺言書の種類の二つ目の、公正証書遺言は、自筆証書遺言の欠点をほとんどすべて解決してくれる遺言書です。専門家が作成するため、無効になる可能性が最も少なく、原本も公証役場で保管されるので、紛失もありません。

公正証書遺言を作成したいときは、公証役場に行き公証人(裁判官・検事・法務省の役人などを経験したベテランの専門家の中から法務大臣が任命する役人のこと)と面談します。(病気などで行けない場合は、自宅や病院に公証人を呼ぶこともできます。)そして、自分の財産の情報と配偶者や子どもなど相続人の情報、そしてどの財産を誰に相続させるかを伝えます。公証人は伝えた内容を書き起こして、遺言書として書面にしてくれます。

遺言の内容を確認するとき、証人が二人以上必要になります。利害関係のない信頼できる人にお願いをして、遺言書作成のときに同席していただきます。(遺言の内容を証人に知られてしまうというデメリットはありますが・・・)

公正証書遺言の作成には、相続財産の価額に応じて費用がかかります。相続させる財産が1000万円であれば1万7000円、5000万円であれば2万9000円、1億であれば4万3000円となります。さらに財産が多くなると手数料も増えていきます。

しかし、相続が発生したときに、裁判所での検認の手続きが必要ないので、すぐに財産を分けることができます。

遺言書の原本は、公証役場で保管されるため(どこの公証役場でも検索をかけることができる)、偽造・変造の心配がなく、紛失の心配もありません。さらに、遺言者、その代理人以外には閲覧をさせません。

公正証書遺言は、手間と費用がかかりますが、三種類の遺言書の中で、無効になる可能性が最も少ない遺言書と言えますが、より確実にするためには、公正証書遺言作成から遺言執行までの包括的なサービスを、状況に合わせ修正しながら受けるには、法律家である行政書士に依頼をして、初めから継続的にサポートを受けることが最良の方法になります。

◆遺言書は三種類あります。三つ目(秘密証書遺言)

遺言書の種類の三つ目の、秘密証書遺言は、遺言の内容を他人には見せず、公証人のところまで持っていき、遺言書の「存在のみ」を証明してもらいます。

秘密証書遺言の作成は、自分で押印さえすれば、パソコンを使っても代筆をしてもらってもかまいません。しかし、何らかの理由で秘密証書遺言と認められなくても、自筆証書遺言の条件を満たしていると、遺言として通用するので、自筆で書くほうが良いです。

そして、秘密を守るため封筒に入れ、封印をした遺言書を二人以上の証人を連れて、公証役場に持っていき、公証役場に提出します。公証人が封紙に署名・押印することにより、遺言書が作成されます。遺言書が確かに存在することを、証明してくれます。費用は、一律1万1000円が必要。作成されましたら、その遺言書は遺言者自身が保管します。

偽造、変造の心配はありませんが、公証人も証人も遺言書の内容を見ることはないので、開封をして内容が無効になる危険性があります。

遺言書の保管者や発見した人は、遺言者が亡くなったときに、家庭裁判所に届けて検認手続きを受けなければいけません。

この秘密証書遺言は、開封時のトラブルを嫌ってか、年間100件程度の利用と少ないようです。どうしても遺言の内容を秘密にしたい場合以外は、公正証書遺言の選択が良いでしょう。

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