訪問リハビリに過大な期待は禁物

寝たきりになった後でも、リハビリによって回復する可能性が高いこと
は書きました。しかし、過大な期待は禁物。

大事故や重病から回復した「奇跡のリハビリ」の物語は感動的ですが、
奇跡的というだけあって、例え若くて健康な患者さんであっても例外的
な出来事です。そして、例外的な出来事だからこそ、感動の物語になる
わけでして・・・。

リハビリにはやはり、限界があります。ことに高齢者にとっては・・・
です。こう言ってはなんですが、原因はどうあれ、一度「寝たきり」を
経験すれば、「寝たきり」を脱したとしても、歩行に器具が必要など、
日常生活に多くの不自由さ、不便さが出るのが普通なのです。

「寝たきり」以前のような身体能力が回復するようなことは、ほぼあり
ません。

高齢者の方の訪問リハビリの目的は、日常生活に必要な動作、専門的に
はADL(activities of daily living)
と呼ばれますが、このADLがある程度、自立して行えるように回復さ
せるのが目的なのです。

訪問リハビリのサービスを提供する側としては、こういう限界の話は言
い出しにくいでしょうから、そこは訪問リハビリを受ける側が空気を読
んで(苦笑)、限界を承知しておくべきでしょう。

こういう言い方は良くないかもしれませんが、「もっと頑張れば回復す
る」と信じ込んで、出来もしないことを高望みして無理なリハビリを続
けても結果が出ないということです。リハビリというのは、たとえうま
く回復しているとしてもストレスの元なのに、結果が出ないとなれば、
なおさらストレスになり、生活全体に影を落としかねません。

「こんなもんで良いか・・・」という姿勢は、勉強や訓練では好ましい
ものではありませんが、高齢者のリハビリの場合、そういう割り切りも
必要となってくるようです。

リハビリを受ける患者さんは勿論、周囲の家族の方も、リハビリの結果、
まだ支障が残ったとしても、「リハビリでこの程度」ではなく、「頑張
ってそこまで回復した」というポジティブな考え方をするべきでしょう。

そして、階段や廊下に手すりをつけるとか、家具の配置を改めるとか、
現状に合わせた環境を整えるのが、周囲や家族の役割だと思います。

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