訪問リハビリテーションの問題点【3】介護保険の上限

現行の介護保険制度では、要介護度によって介護保険の給付金の上限が
決まっています。このため、日常生活の介助が必要な高齢者の方であれ
ば、訪問リハビリに回せる給付金が無くなる、というケースがあるので
す。

あちらを立てればこちらが立たずで、日常生活の動作を向上させるため
に訪問リハビリを受けるとなれば、上限に合わせて介護サービスを減ら
さねばならず、却って日常に不便を来すという不可思議な事態になるわ
けです。

そして、リハビリを行っても、必ずしも全員が回復するとは言えないの
で、目先の、と言っては失礼ですが、目先の日常生活の介助が優先され
てしまうのは、まあ、仕方がないかもしれません。

特に、介護を受ける一人暮らしの高齢者には、この傾向が高いのではな
いでしょうか。実際、給付金支出の中で、「訪問リハビリ」が最低なの
も、こういう事情が理由の一つなのでしょう。

そして、この傾向が事業としての採算性を悪くして、訪問リハビリを提
供する事業所が少ない原因の一つになっているのかも知れません。

勿論、医療保険の中にも訪問リハビリサービスがありますが、しかし、
介護認定を受けると、介護保険の方が優先されて、医療保険を使った訪
問リハビリは受けられないのです。

財政のことを考えれば、給付金の上限を引き上げるとか、医療保険との
併用を認めるとかが難しいのはわかります。しかし、「寝たきり」の人が
自力で動けるようになれば、日常生活の介護に対する給付金の縮小につ
ながるかも知れないわけで、もう少し柔軟な対応はできないでしょうか。

介護保険のサービスの中には、「要介護」の前段階である「要支援」
(=自力で何とか動ける)の患者さんを対象として、出来ることは可能な
限り本人が行うという、「介護予防訪問リハビリテーション」と言うのが
あります。「寝かせきり」を防ぐ上では、これは非常に良いことだとは思
いますが、動けなくなった人を回復させるというところにも、もう少し配
慮がほしいところです。

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