訪問リハビリテーションの問題点【2】事業所不足

別のところにも書きましたが、厚生労働省発表の介護サービス受給者数
を見てみると、訪問リハビリサービスの利用者数は7万人程度であり、
居宅サービス全体の3%弱で、最下位です。

訪問リハビリの利用者が伸びないのには、サービスの供給自体が全く足
りないという根本的な問題も大きいと思います。しかし、専門家の中に
は、訪問リハビリの必要性が、医療機関や介護関係者に理解されていな
いのではないかという疑問を呈する人もいます。特に、整形外科を専門
としない医療関係者の中には、回復期を過ぎたリハビリは無駄だと考え
ている方も、けっこう多くいらっしゃるようで・・・。

おまけに、訪問リハビリを提供する事業所というのは、東日本大震災の
被災地での特例を除き、病院か診療所を併設しなくてはなりません。こ
れだけでも厄介な話ですが、そこにさらに、リハビリのセラピストのみ
ならず、訪問リハビリに理解がある医師も集めるとなれば、なかなか大
変です。

これに加えて利用者が少ないとなれば、採算性を考えて、簡単に手を出
せるものではありません。

訪問リハビリの利用率が向上しない限り、事業所の増加も見込めないの
か、それとも、事業所が増えないので、訪問リハビリの利用率も向上し
ない。タマゴが先か、ニワトリが先かの問題のようですが、なんであれ、
早急な対策が必要です。

いわゆる「団塊の世代」が70代後半を迎える2020年代後半には、
問題はより深刻するのは確実です。今ですら、病院の能力の限界で、リ
ハビリが不十分なままで退院させられ、自宅で「寝たきり」の生活を余
儀なくされる方が多くいらっしゃいます。

需要に供給が追い付かなければ、値段が吊り上ってなんとかなるのが、
資本主義の原則かもしれませんが、この訪問リハビリの場合、そんなバ
カなことは言っていられません。

少子化が進んで久しい今、「寝たきり」の方が激増する、なんてことは、
想像するだけで気分が暗くなります。

既に「リハビリ難民」という嫌な言葉がありますが、訪問リハビリの普
及、いや、訪問リハビリに限らず、とにかくリハビリテーションの受け
皿を十分に用意しなくては、リハビリ難民、それも寝たきりのリハビリ
難民が社会にあふれることになるでしょう。

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