尽くした人が損をしないために~寄与分~

さて、遺産の分割方法を知って、平等な分割ができると胸を撫で下ろしているところかもしれませんが、遺産相続はそんなに簡単ではありません。

それは、人の感情が関わってくるからです。

例えば、他の兄弟が独立して家を出た後も、親と同居して家業を手伝い、親の介護もしてきた子の立場からすると、特に家の事を何もしてこなかった兄弟と遺産を等分にわけるというのは不公平に感じることでしょう。

こういった場合の不平等を解消するために、民法では「寄与分」という別枠の取り分が定められています。寄与分が1割なら、財産総額から寄与分の1割を差し引き、残りを等分することになります。

ただし、寄与分とは、財産の維持・増加に「特別の」寄与があった事実が必要となってきます。普通に世話をしたり、病気の看病をする。年老いた親の面倒をみる。こういったことは法律上では、家族間の協力義務・扶養義務の範疇なのです。

では、「特別の」寄与とはいったいどういったことでしょうか?

無償で家業を手伝ってきた場合や、経済的な援助をしてきた場合、長期にわたり介護を務め、付添い人を雇わず済んだ場合、仕事を辞めて介護に臨んだ場合などに認められることが多いようです。

とはいっても民法の定める寄与分には曖昧な点も多く、結局は協議の中で相続人全員の話し合いの上決めなくてはなりません。どれだけ「寄与があった」という事実があっても、相続人全員が首を縦に振らない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることが出来ることを覚えておくとよいでしょう。調停で決まらなければ、裁判所の審判に従うことになりますが、寄与分としては財産総額の1割~3割となるのが一般的です。

また、気をつけなくてはならないのは、寄与分を受け取ることができるのは民法上の相続人に限られる。という点です。嫁が家業を無償で手伝っても、内縁の妻が仕事を辞めて介護をしても受け取ることはできません。嫁や内縁の妻のような民法上の相続人でない人物に感謝の気持ちとして遺産を残したい場合は、遺言書を作成し、その旨を明記することをおすすめします。

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