盛大な葬儀は故人のためのみにあらず

最近は、故人の仕事関係者、親戚、友人などが多数参列する大規模な葬儀よりも、近しい家族のみで家族葬を行う人が増えています。大変お世話になった人が亡くなったときにも、後日「家族葬を行いました」と挨拶のはがきだけが来るケースが多くなったと感じる方はいるのではないでしょうか。

お世話になった側としては、香典を持って葬儀に参列したい、手を合わせてお別れを告げることで気持ちの整理をしたいと思うものですが、そのセレモニーができないケースが増えているのです。

家族にしてみれば、高齢だとか、それほど多くの人付き合いはなかったとか、いろいろな理由があって家族葬にしているのでしょう。家族が亡くなり精神的にも余裕がなく、盛大な葬儀が準備しきれないという気持ちもあると思います。

しかし、家族が知らない交友関係というのは、どんな人でも意外に広いものです。後々そういった方に残念な思いをさせることは、家族にとってもつらいものです。

相続税対策の視点から考えてみても、葬儀を盛大に執り行う意味があります。実は葬儀費用は相続財産から差し引くことができるため、地味な葬儀を行った場合は債務控除が少なくなってしまうのです。いろいろな人に連絡して盛大に葬儀を執り行うと、費用もかかりますが、そのぶん相続財産からは差し引くことになります。

当座の資金繰りで言えば、小規模の家族葬で入ってくる香典はそれなりです。一方、盛大な葬儀では、香典も盛大に入ってきます。つまり葬儀費用と香典は、プラスマイナスゼロになるものなのです。葬儀費用は債務控除できますし、香典は非課税なので、相続税対策としても有効です。

生前お世話になった方に家族からきちんとお礼をお伝えする機会としても、故人を偲ぶ時間を関係者で共有するためにも、葬儀は一度しかない大切な場です。盛大な葬儀を行うことができる制度が税制的にも揃っていますので、家族葬ではなく盛大な葬儀をおすすめします。

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