ついにデジタル版「終活」の時代へ!ネットによる終活支援サービスが始まっています

自分の死後、自分の使っていたパソコンの中に秘められた個人情報はどうなるのでしょうか。

そんな情報化社会が抱える課題を解決するサービスとして、自分が死んだ後にパソコンの特定データの削除や、家族への引継ぎを行うサービスが広がりを見せています。生前にネット上で保存した文書や画像を確実に削除したり、有料サービスの料金を停止する手続きを代行したりと、そのサービスの形態は多岐にわたり、需要も高いといえるでしょう。

人生の終章を迎えるにあたり、元気なうちに自分の所持品の処分をしたり葬儀の段取りを決めるのと同じように、自分の集めた情報の処理方法を考える。このサービスは、まさしくデジタル版の「終活」なのです。

インターネットの大手企業ヤフーは、「いつかわからない死に備え、ネットを安心して楽しんでもらう終活支援サービス」として、7月から「Yahoo!エンディング」のサービスを開始。ヤフーでは事前に作成したお別れメッセージを家族や友人ら最大200人に送信するなどのサービスを月額180円(税抜き)で展開しており、大手企業の信頼の高さと細やかなサービス、リーズナブルな値段設定で着実に人気を集めています。

「Yahoo!エンディング」のサービスの特徴は、死後に生じるネット関連の課題を、依頼者自らが生前に解決できるという点にあります。多くの関連企業を持つ大手企業の利を生かし、利用登録を申し込むと同時にヤフー提携の葬儀プラントと契約。葬儀が行われた後に葬儀社から送られてくる火葬許可証と登録情報でヤフーは利用者の死亡を確認し、データ削除を行うシステムになっており、遺族の手を煩わせることは全くありません。

このサービスにどれくらいの登録者がいるのかは公開されていませんが、ヤフー広報部はサービス開始後の反応は上々であると説明しており、今後データの削除内容も個人のパソコン内だけでなく、ブログやメールなど事業者のデータに広げていき、葬儀プランを契約しなくても登録ができるように検討すると発表しています。これが実現すれば、ますます登録者が増えることでしょう。

ブログやメールなど、事業者が保管するデータの削除について、日本インターネットプロバイダー協会の木村孝さんに尋ねてみたところ、遺族が利用者のデータ削除や継承を希望する場合には、利用者の死亡を証明する書類の提出が必要であり、その手続きは複雑を極めるといいます。

面倒な手続きに挫折して削除をあきらめる遺族も多く、遺族が故人のサービス内容すら知らないといったこともあるなど、遺族が故人の情報を処理できる方法が少ないのが現実のよう。

グーグルもまた、平成25年4月から「アカウント無効化管理ツール」のサービスをはじめました。このツールも利用者の死後、パソコン内の情報を処分することを目的としています。

このツールを利用できるのはグーグルのメールやブログの利用者に限られ、一定期間メールやブログなどを使わなかった場合にはその利用者が亡くなったと判断され、自動的にデータが削除される仕組み。

データ削除に至るまでの期間は、3ヵ月から最大18か月まで。3ヵ月ごとの単位で利用者が設定ができるほか、削除だけでなく、あらかじめ利用者が指定した知人らにデータを引き継ぐこともできます。

このほかに、インターネット企画開発のkitamuraもネット上やパソコンに残されたメールなどのデータファイルを削除したり、家族に引き継ぐことができる「終活」サービスを提供。これは、「ラストメッセージ」と名付けられた遺言サービス。

「ラストメッセージ」を利用する際に必要なのは、信頼のおける協力者を確保すること。サービス利用者は、死後に削除したいデータファイルのパスワードを記した指示書を事前に作成し、暗号化してネット上に保管。協力者を通じて利用者の死亡が確認されると、協力者は個人の指示書を解読し、遠隔操作でデータ削除などを行うことができるようになるシステム。

「家族にも知られたくない情報がある」という悩みを抱えるネット利用者は多く、平成26年3月にサービスが開始されてから現在までの間に約400人が登録をしているといいます。需要が高い反面、利用に必要な協力者を見つけられず利用がしにくいといった指摘の声も上がっており、今後は法律家との連携も検討してサービスの改善をしていく必要があるでしょう。

インターネットが一般家庭に普及し、総務省の統計によると、インターネット利用人口は2013年に1億44万人を超え、利用率は、60歳代で約70%、70歳代で約50%にものぼり、まさに社会は情報化社会の円熟期を迎えています。

「死後、パソコンなどの情報をどう始末するか考えておきたい。」と、ITジャーナリストの三上洋さんはデジタル版「終活」の重要性を指摘。今回紹介したヤフーなどのデジタル版「終活」サービスは、まだまだ利用者の声を受けて改善をしていく必要があります。

これらのサービスの活用は新たな個人情報の提供につながり、利用者自身がデータの取り扱いを決められる仕組みについて更なる議論と健闘が必要だと言えそうです。

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