いらない不動産は、現金化した方が得をする?

これから家族に相続する土地や建物の不動産を調べて、いろいろな利用方法を検討してみたはいいものの、やっぱりどうにも使えそうにないな、という土地も中にはあるかもしれません。

親から引き継いで、そのまま空き地になっている土地だったり、あるいは、空室だらけの貸しビルだったり・・・。このような不動産は、使えなくても持っているだけで毎年固定資産税がかかります。

さらに子供が相続するときにも、相続税だけがかかって、けっきょく子供も使わない不要な物になったりします。そんなときは、ちょっと税金が高くなるかもしれませんが、思い切って売却を検討しましょう。

相続する土地の70坪までなら『評価減』というお得な相続税の評価方法が使えますが、預金や現金の状態だと、その『評価減』が使えません。さらに、土地や建物を売るときには『譲渡税』という余計な税金まで支払う必要が出て来るため、節税とはまったく逆の事をしているような気がします。

しかし、ついつい節税対策ばかりが相続対策だと考えてしまいがちですが、実際にはもっと先に解決しなければならない問題があるのです。

相続対策の問題解決の順序は、並べてみると以下のようになります。

1.財産の分割の検討
相続者と話し合い、いわゆる『争族』を起こさないように対策する。

2.納税資金対策
納税の資金の準備。

3.相続税対策
生前から徐々に節税をしていく。

1が一番重要なのは、言わずもがなです。どれだけ綿密に対策を練っても、相続の際に相続者同士が揉めてしまえば、また一からやり直しになってしまう事もあります。

そして2で、支払わなければならない相続税が支払えず、財産の相続ができないような状況も、やはり同様に考えなければなりません。

実際の相続では、無闇に預金を減らして、不動産ばかり持っていると、逆に相続税が多くかかってしまうようなパターンがあるのです。

たとえば、預金1億円を相続した場合。相続税が2000万円かかっても、相続した1億円の中からこれを支払えます。

しかし、土地1億円を相続した場合で、おなじく相続税が2000万円かかる場合。相続人は、いま自分が持っている預貯金の中からこれを支払わなくてはなりません。

もし、この預貯金の中から支払えないようなことになったら、とても損をします。

相続税は、基本的に一括払いが原則で、分割払いは選べません。相続人には一括払いが無理だと認められる場合に限って、何年かに分けて支払いをすることが可能になります。(これを「延納」と言います)

しかし、これには毎年金利を支払う必要があるため、納税額が余計に増えてしまうという罠があるのです。

また、分割払いの方も難しいと認められた場合に限って、不動産そのものを引き渡して支払う納税方法が認められています。(これを「物納」と言います)結局使わない、いらない不動産に関しては、そのまま「物納」ができれば一番安くすませられます。

ですが、これはあくまで相続する人が、「一括でも分割でも支払う事ができない」と認められた場合のみに、限られているのです。

たとえば子供が一人もいない老夫婦の家庭で、働いていない夫人ひとりが土地を受け継ぐ事になった場合など。このような場合には物納が認められますが、働いている子供がいて、相続税を支払える程度の収入がある場合には、子供の収入で「分割払いができる」と判断されてしまい、物納が認められないのです。

そうなった時には、相続人は私たちのいらない不動産を相続させられ、さらにそのために割高になった税金を苦労して支払わされる事になるのです。ですから、私たちが生きている間に、いらない不動産は整理し、売却してしまうのが得策。

それに、現金化すると相続税が下がる可能性も、実はあるのです。

アパートにしても畑にしても、私たちに利益が出せそうにない、いらないと思っているような不動産は、市場価値の方がぐっと下がっている可能性があるのです。

実際に現金に換えたときの金額が、不動産のときの評価額より安くなっていれば、その分だけ相続税も下がるのです。

このような場合は、節税にもなりますから、いらない土地があったら、ぜひ、積極的に売却を検討していきましょう。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る