介護老人保健施設は不思議な施設

介護老人保健施設(通称ろうけん)は、もともと老人保健法のもとに作
られた老人施設でした。増大する医療費と長期化する老人の社会的入院
(治療の必要性は低いが在宅では生活できない要介護老人を入院させて
おくこと)を解消する一助として作られたという経緯があります。その
ため病院に併設されていることが多く、母体は医療法人が経営している
ところがほとんどです。

病院での治療は終了し、入院治療するほどではなく病状安定期にあるが、
そのままでは在宅生活が困難な老人を入所させて、在宅復帰に向けてリ
ハビリしましょうというのが老健の目的です。そのために老健には必ず
リハビリ専門職、理学療法士か作業療法士が配置されることになってい
ます。

また常勤の医師がおり、主治医はその医師になります。看護師の配置が
多いのも特徴で、リハビリは基本的に毎日実施されることになります。

在宅復帰施設ですので、特別養護老人ホームなどの終身施設ではありま
せん。3ヶ月に一度、在宅復帰できるからの会議を行うことになってい
ます。ですから、施設によっては本当に3ヶ月で退所を迫るところもあ
ります。この場合の退所は必ずしも「自宅復帰」というわけではないこ
とに留意しなければなりません。

老健は非常に不安定な位置づけになっています。一応在宅復帰施設、病
院と自宅との中間施設と銘打たれていますが、在宅復帰率は30%以下。
その他には再び病院に入院する人や、特養の入所待ちとして長期に入所
している人、また定期的に老健をぐるぐる回る人などがいるのが現状。

老健には独自のルールが多数あります。例えば簡単な医療処置は老健で
受けることになっています。その場合の医療処置費用は、介護保険の利
用料の中に含まれていますので負担することはありません。

しかし老健は病院ではありませんから、複雑な医療処置が必要な場合は
病院を受診することになります。その場合は医療保険を使い、本人負担
になります。ここで気をつけなければいけないのは、本来老健が行える
医療処置を他の病院で受けた場合、医療保険が使えないというルールが
あることです。老健入所の時に相談員から説明があると思いますが、気
をつけたいところです。

入所できるのは要介護1以上の認定を受けており、病状安定期にある要
介護者。特養よりも入所待機期間は短いですが、病状などによっては入
所を断られる可能性があります。

なお、もう一つの介護保険施設である介護療養型医療施設は2011年
に廃止され、老健がその転換先になっているのが現状です。

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