家族葬がこれ程まで選ばれる理由とその背景

葬儀社が葬儀費用の細目を記した見積書を葬家(葬式を出す家)に提出
するようになり、消費者は葬儀費用の相場を知るようになりました。何
に対していくらの金額がかかるのか理解できるようになったのです。そ
れによって消費者は葬儀にかかる費用に敏感になりました。

つまり無駄と思えるものは省く方向に考えるような意識が出てきたので
す。葬儀社は、顧客が納得するよう、さらに的確な価格を出すようにな
り、価格競争が生まれました。これが葬儀費用が減った理由の一つでは
ないかと言われています。

また、打ち合わせの段階で葬儀の内容を細かく検討していく消費者も増
えてきています。さらに、葬儀の事前相談に来る人も増えてきました。
事前に相談に来る消費者に、葬儀社は顧客を獲得するために割引やサー
ビスをします。他社と比べられて、大事な仕事を取られないようにと必
死です。いろいろなサービスを繰り広げ、様々なタイプの葬儀を考え出
すようになり、「家族葬」もその中のひとつ。

また故人が高齢であると参列者が少なく、返礼品や飲食費も減ります。
参列者が少ない場合は身内だけの「家族葬」にするという選択肢も出て
きました。しかし元来、「家族葬」という言葉は存在しません。ごく最
近になって流行りだした言葉で、意味としては「身内だけの小規模な家
族の葬式」ということでしょうか?

この「家族葬」は言葉としても優しい響きで、比較的低価格で行える葬
儀をイメージづけることに成功しました。ただ「家族葬」と言っても、
本当に家族数人だけの葬儀から、家族・親族・友人たちの5、60人で
行う葬儀まであります。10人の子供を産んだ100歳のおばあちゃん
が亡くなり、子供の家族や曾孫まで参列しての100人以上の「家族葬」
もありました。

確かに親族だけなのですから「家族葬」には違いありません。最近では、
80人以下の会葬者の葬儀がもっとも多くなっていますから、このケー
スでは、一般の葬儀よりも会葬者が多いことになりますね。しかし親族
だけで100人というのは滅多にないことですから、比較対象にはなら
ないかも知れません。少子化の未来では尚更親族は少なくなるはずです。

消費者にとっては「家族葬」と聞くと、低価格でもあり身内だけでのア
ットホームな小さい葬儀のイメージがあり、とても人気があります。

大手の葬儀社でも一般的な葬儀プランに加えて「家族葬プラン」を打ち
出しているのも頷けます。実際、故人とは会ったこともない娘の夫の会
社関係の人が義理で参列するような大きな葬儀は、双方にとっても迷惑
なことなので必要はないかも知れません。

葬儀とは純粋に生前に故人が深く関わってきた人が、この世からあの世
へと送り出す、お別れの儀式であるのが基本。以前の日本人文化では、
世間体や義理や見栄も手伝って、大きな葬儀を出していたというだけ。

しかし、現在でも葬儀が簡素化傾向にあるのは都市部であって、まだ地
方の村社会では村全体で葬儀を出す風習もあります。「郷に入れば郷に
従え」で、故人にとって一番良い方法で送り出すことが大切です。

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