身内に残すことだけが、遺産の使い道ではありません

人が死ぬときに残る遺産。できれば家族や誰かを幸せにする糧になってもらいたい、これは多くの人が願うことなのではないでしょうか。

お金は「終活」の中でも最も重要な問題。

その引継ぎがうまくできていなければ、のちのち愛する家族の崩壊を招く可能性さえも秘めているもの。また、様々な家族形態を受け入れる社会になってきたことで、身寄りもなく一人で生活をする高齢者が増えてきています。

最近の新聞やニュースでも「孤独死」という言葉をよく目にします。身寄りのない高齢者がひっそりと社会の片隅で孤独な死を迎える「孤独死」が社会問題になっていますが、実は孤独な死を迎えた人たちが残す「誰にも相続されない遺産」の額も年々増えてきているのです。

相続人がいないために国庫へ入った財産は2001年度で107億円、2012年度では375億円と、大幅に増加しています。

血縁などの身寄りがないなど、財産を誰が相続するのかはっきりとしない人が亡くなると、裁判所が「相続財産管理人」を選任して故人の財産の整理を行い、借財などの必要な費用を引いて残った分が国庫に納められます。

資格制度はなく、公正中立に業務を行える適任者が選任される「相続財産管理人」の役割は、故人に相続人が存在するかどうか調べ、家庭裁判所に報告をしながら遺産を適正に管理し、債権者に弁済をしたり、弁済をするために財産を換金して清算をすること。

「相続財産管理人」が相続人を見つけられなければ、残った遺産は国に帰属することになるのですが、血縁はなくても、故人と特別な縁故があった人に対しては、遺産の全部又は一部を分与することができるという制度があることは意外と知られていないようです。

こういった特別な縁故がある人は「特別縁故者」と呼ばれ、民法上でも故人と生計を同じくしていた人や、個人の療養看護を努めた人などが認められています。

法律で決められた一定の期間内に家庭裁判所に申し立てをしなくてはいけないという制限はありますが、血縁にかかわりなく、自分にとって特別な関係にあった人に遺産を残すことができる、これも相続の一つの形態だといえるでしょう。

相続人がいない人が自分の死後の財産の行方を決めておきたいと考えるのであれば、一般的には遺言書を作成したり、信託制度を利用するとよいでしょう。

これらの方法でなら、生前お世話になった人や活動を支援したい団体などにも、自分の希望に沿った遺産を確実に残すことができます。

あなたが死後に残す遺産は、あなたが一生懸命に生きた証でもあります。自分の納得のできる方法で活用することを考えてみてください。

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