ホームヘルパーになんでも頼めない理由とは

ホームヘルパーは家のことはなんでもしてくれる人、いわば「家政婦」
という認識を持っているお年寄りは多いようです。「ホーム」ヘルパー
という名称に少し問題があるかもしれません。正式な名称は「訪問介護
員」と言います。通称のホームヘルパーや単にヘルパーという方が正式
名称のように使われていますが、本来は在宅訪問する「介護の専門家」
なのです。

家での生活というものは、実に多様で細かい事象が多層に積み重なった
世界。小さいけれどもそれをしないと困ることや、精神的に安定しない
というものの中で私達は生きています。要介護状態になるとそういった
細かいことが自分でできなくなりますから、つい家事をしにきてくれて
いる(と思っている)ホームヘルパーにいろいろ頼むことになります。

しかし、ホームヘルパーの給料の9割は税金と保険料から拠出されてい
ます。いわば公的な性格をどうしても宿した仕事なのです。また、介護
保険法の理念と反すること、例えばお世話を過剰にすることによって、
本人の本来できる力を奪うようなことをしてはいけないと決められてい
ます。ヘルパーはそのように教育されてきています。

公的な費用が投入されているわけですから、あまり個々人の趣味・嗜好
に偏ったサービスをすることは制度設計上、また国民の感情として受け
入れられるものではありません。生活とは一人ひとりにとって固有性、
個別性をたいへん大きくもったものであり、また本人らしい生活を送っ
てもらうという介護の理念と矛盾することですが、どうしても「公的」
制度で提供できるサービスには制限がついてしまいます。
その基本的な理解がない利用者・家族の場合、頼んだことをしてくれな
いとホームヘルパーを責めたり、事業所にクレームをつけたりしてきま
す。事業所側は最初に行う契約の中でできないことを説明しているはず
ですが、高齢者の場合は理解できないか、忘れてしまうことが多いから
です。

しかしそのことも理解できます。訪問介護については実に微に入り細に
いった規制(できる・できないこと)が決められており、また規制の範
囲内なのか範囲外なのか良く分からない所あります。

それは介護従事者側にもよく起きているのが現実。

制度は平等を目指せば、いろいろな例外を後付けで付与していかなかれ
ばいけませんが、それでも現状の介護保険制度を理解するのは、非常に
困難な作業になっています。

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