介護で親の面倒を見たのだから相続分は増えて当然?

これから親の相続を迎える人は、現在50~60歳の年代の人が中心です。実は民法において「均分相続」が定められたのは戦後のことなので、この世代の人は、戦前育ちの親から「家は長男が継ぐもの」という「家督相続」の考え方を教えられていますので「長男は多く相続するのは当たり前」という意識があります。

長男自身はそれほど思っていなくても、義両親を介護した妻の苦労を思えば、長男が多く相続したいと主張したくなる場合が多くあります。

では、相続税ではどのようになっているのでしょうか?法定相続分では子どもの相続分は均等とされていますが、被相続者の事業などを手伝って、被相続人財産の維持や増加に貢献したと認められる相続人は、その寄与した分の財産を法定相続分にプラスして受け取ることができます。

これを「寄与分」といいます。ただ、寄与分は、実は簡単には認められないのです。例えば、子どもが親の介護をするケースが増えてきていますが、介護をしていても寄与」が認められるケースは多くはありません。

なぜなら、民法には「親族間の扶養義務の定め」というものがあり、子どもが親の面倒を見るのは当たり前という考え方があるからなのです。

それに、たとえ寄与分が認められるケースでも、寄与分は相続人以外には認められないのです。長男の嫁には、相続人としての権利がありませんから、義父の介護を献身的に行ったとしても、寄与分は認められないのです。

寄与分が認められなくても、長男が同居で、その妻が義両親の面倒をみているというような場合には、長男が財産を多めに受け取るという習慣は今でも残っています。

しかし、今後、30~40歳の世代の人が相続する場合、むしろ「均分相続」の意識の方が強くなっていると思われますので、長男が同居していて親の面倒をみていたとしても、それはそれとして「均分相続を」と要求されることは増えてくるでしょう。

また、同居という形態も減少していますので、均分相続が常識になっているのかもしれません。

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