エンディングノートで「無茶ぶり」をしてはいけません

「終活」の一つの方法として人気の「エンディングノート」しかし、きちんと考えて書き遺さないと残された人たちに迷惑をかけることにもなりかねません。

奥様に先立たれ、子供もいない東京都の西村さん(仮名)は91歳の大往生を遂げました。何人かいた兄弟も、西村さんより先に亡くなっています。そこで遺産整理をすることになったのが西村さんの甥。遺品の中にエンディングノートがあったので見て見ると、なんと遺産の相続人として指定されていたのは、西村さんがかわいがっていた犬の太郎君。

アメリカで大富豪が亡くなったあと、ペットの猫に遺産を残したという話がありますが、ペットへの相続の法律があるアメリカと違い、日本ではペットは相続人になれません。

困った甥は弁護士に相談した末、法的に適当な相続人が、何らかの負担、この場合太郎君の世話をするという負担を請け負うことを条件とした「負担付遺贈」の手続きを取ることになりました。

もしかしたら西村さんはアメリカでの例をニュースで見るなどして日本でもそれができると勘違いしていたのかもしれませんが、法律は当然のごとく国によって違うのだということを自覚して、日本の法律に沿った希望を遺さねばなりません。

もう一つの例は、千葉県の岩淵さん(仮名)の例。岩淵さんは人の意見に流されやすい性格の人でした。そんな京乃さんが残したエンディングノートは3冊。それも、3人の娘にそれぞれ1冊ずつ残していました。

ところが3姉妹が内容をチェックしてみると遺産相続の内容がそれぞれ違います。3姉妹はそれぞれの正当性を主張してそれぞれの旦那さんまで巻き込んで大変な騒ぎに。

結局のところ、残された岩淵さんの旦那さん、つまり3姉妹のお父さんが間に入って、それぞれの希望を擦り合わせ、やっとのことで丸く収めはしましたが、エンディングノートは何の意味も為してはいなかったどころか、旦那さんの負担を増やしただけでした。

別々のことが書いてあったら争いが起きるのが当然です。これが遺言書であれば、きちんと法的に新しいものが有効であると決まっていますが、エンディングノートはそうはいきません。このようにそれぞれの子供にいい顔をしたいという理由だけで異なったことを書いてしまうのは論外です。

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