経済的負担をとるか、肉親愛をとるか、それが問題

年老いた親の介護を考える時に大切にしたいのは人間関係です。

生活文化保険センターの「2012年度生命保険に関する全国実態調査」によると、親の介護のために住宅改造やベッドなどの介護用品の購入にかかる費用は平均91万円。一時的な費用ではありますが、10年間介護をするのであれば1015万円もの出費になります。

この過大な経済的負担を支えているのは、ともに介護をする配偶者や子供などの家族です。父親が倒れたことで急な介護の必要に迫られた足立区の内田直さん(40)=仮名は、妻に支えられて自宅での介護を選びました。

内田さんの奥さんは介護のために休職中ですが、将来的に復職もできる道を残したのは理由があるといいます。

「自宅介護なら月々5万~6万円の出費。ケアハウスだと入居利用料や生活費に月15万円以上と試算したのですが、10年介護のスパンで考えると妻に収入があった方が収支はプラスになるんです」自宅介護で妻が離職すれば収入が減り、経済的負担がのしかかる。

かといって収入を維持することを優先して、肉親を施設に入れるのも気が引ける。経済的負担をとるのか、肉親愛をとるのか、それが問題だ、という悩みは尽きることがありません。

しかし、肉親愛を優先するあまりに大事な配偶者に介護負担を押し付け、肉体的にも精神的にも疲労させることは、良いことではありません。

大切なのはバランスです。介護保険制度などの公的サービスを有効活用しつつ、家族が協力し合って介護負担を軽減し、出費を抑えることが大切なのです。そのためには良好な家族関係を日頃から築いておくことが大切だと言えるでしょう。介護する側が、様々なサポートを受けられる社会であっても欲しいものです。

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