介護が苦しいのは、高齢者のせいではなく介護者自身のせい?

◆介護は、人を苦しめるだけで何一つ良い事はない!これってホント?

未だかつて類をみたことがない超高齢化社会に突入している日本ですが、
実際に介護をされている方は、多くの悩みや問題を抱えていらっしゃる
事と思います。その中でも、特に多くの方が頭を悩ませている事と言え
ば、「認知症の方の介護」、「家族・親族との意見の相違」、「介護に
かかる費用」この3つに大別されるかもしれません。

これらの悩みのいずれはか、大体の介護者の方が、或いは介護者の家族
の方が感じていらっしゃると考えて良いと思われますが、介護者の方が
この様に考え、悩み、苦しんでいらっしゃるとすれば、その様な苦しみ
を抱えながら介護を受けている方の方に目を向けると、本当に、安心し
て介護を受ける事が出来るのでしょうか。

介護とは、机上の問題なのではなく現実的な問題です。しかも、冒頭に
述べた通り超高齢化社会になっていますから、自分で介護をしていなく
ても費用の面で負担をしなければならないなど、多くの人に関わってく
る問題と言えます。ですから、出来る限りこの様な悩みや苦しみから解
放される事が、介護される側にとっても介護をする側にとっても、両者
にとってベストだと言えるでしょう。

「そんな事は絶対にない、介護なんて負担や苦しみだけで、幸せを生み
出す事なんて有り得ない!」そんな声が聞こえてきそうです。

実際、自宅など施設以外で介護をされている方は、例え2泊3日などの
ショートステイサービスなどで2~3日高齢者が家に居ない時が出来た
として、多少は身体が休まるかもしれませんが、3日後には再び家に帰
ってくるのですから、完全に開放される事はありません。

家族が介護に協力的ならまだしも、仕事や色々な用事であまり協力が出
来ない場合などは、全て介護者に負担が回ってきます。これは、実際に
介護をしてみないと解らない苦しみでしょうし、同じ病気であっても人
それぞれ病状も、性格も、生活習慣も違いますから、全てを解ってもら
える人なんて介護者同士であっても居ないのかもしれません。

しかし、これは施設のスタッフであってもある程度同じ事が言えます。
施設と家の一番の違いは、必ず介護者が交替出来る事でしょう。

その分、少しは開放される時間も多いはずなのですが、かと言って、仕
事として続けるからにはある程度の「続ける意義」が感じられないと難
しいとも言えます。いわゆる、モチベーションですね。

介護施設の場合、入られている人の多くは高齢者であり、病気のために
何かしらの障害を抱えている方でしょうから、仕事として介護をする事
で今後、目に見えて元気になって全く介護が必要なくなり、自宅に帰る
事が出来る、というケースはほとんど無いでしょう。

この様な理由で、将来に向けての希望や期待を感じられなくなってしま
い、仕事としてモチベーションを維持し続ける事が困難になり、燃え尽
きてしまい仕事を辞めてしまう、というスタッフが後を絶ちません。

ですから、誰もが抱える悩みや苦しみから解放され、今までの常識では
考えられなかった「介護をする事で幸せになれる」事が出来るのだとし
たら、それは本当に奇跡的な事なのかもしれません。

でも、これからその奇跡的な事を現実に変えていくための方法を、一緒
に考えていきましょう。

◆なんでも手を出すのが「良い介護」なのではありません

人と人が挨拶を交わす際に、「お世話になります」と言うのをよく聞き
ます。誰しも一人で生きている訳ではありませんから何かしらの助けを
受けて生きています。ですから、誰かのお世話になる、とは至極普通の
言い方です。

しかし、介護をこの「お世話」と一緒にしてしまうと、多くの間違いが
生まれます。なぜなら、介護を受ける高齢者は、決してお世話をして欲
しいとは思っていない人もいるからです。

その様な高齢者は、お世話ではなくて、助けてほしい、手を貸して欲し
いと思っているのではないでしょうか。では、何を助けるのでしょうか
?それは、本当は自分で自立して生きていきたいのに、それを邪魔する
障害があるから、その障害に負けない様に助けてほしいのです。

こう考えると、一から十までなんでも介護者が手伝ってしまう事は、決
してその障害を乗り越えて自立した生活を送るための手助けにはなって
いない、という事が解ります。

自分でやると汚れてしまったり、転ぶ危険性があるから、そのくらいな
ら介護者がやった方が・・・、と、ついなりがちですよね。でも、その
考え方が「お世話」を生み出してしまうのです。

実は、この一から十までなんでもしようと頑張ろうとする事が、逆に介
護者を苦しめているのです。

◆「きちんと」やらない事を努力する

こう考えてみると、実は介護者が「介護なんて負担や苦しみだけだ」と
感じてしまう原因とは、介護を受ける高齢者に起因しているのではなく、
介護者の気持ち次第でなんとかなるかもしれない、という光明が見えて
きます。

多くの方は、介護をするならきちんとやろう、出来る限りの事をしてあ
げよう、と考えます。すると、「きちんと」出来なかった時に、自己嫌
悪に陥ってしまいます。これは、家で介護する事が難しくなって施設に
入った場合でも続く考え方です。

「家でもっときちんとみてあげれば良かった」、「施設に入ればきちん
とみてもらえる」・・・。「きちんと」とはなんでしょうか?あなたは、
いつもいつも「きちんと」していられますか?きちんとしなくて気を抜
いていられる時、楽ではありませんか?

高齢者だって、施設だって、全く同じです。まずはこの「きちんと」し
なければいけない、と考える事から、止めてみる努力をしてみましょう。
きっと、それだけでも精神的な負担は軽くなるはずです。

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