遺留分割協議の話し合いで揉めないための心得とは

遺留分割協議を進行するにあたって問題となるのは、相続人同士が自分の言い分を押しつけあい、話し合いが停滞することです。一度停滞すると、話し合いは平行線のまま、人間関係は険悪になる一方で、収まるものも収まらなくなるものです。

そうならないためにも、進行の中心となる「まとめ役」が必要になります。

一般的には、故人の身近にいた親族である配偶者や同居の子、もしくは長男、長女がまとめ役を務める事が多いようです。ただし、「まとめ役になったから」と張り切って、仕切ろうとしたり、協議を引っ張っていこうとすると、また揉める原因になりかねません。まとめ役に必要なことは、淡々と皆の調整役を務めることであり、強気なリーダーシップは必要とされないのです。

それでは、まとめ役になった場合どのように行動したらよいでしょう?ここでは、亡くなった親と同居していた長男がまとめ役を務める場合を例にして解説していきます。

この例の場合、傍目に見ても長男がまとめ役になるのは自然な成り行きだと感じるのではないでしょうか?長男も当たり前のようにまとめ役として動き出してしまいがちですが、これが失敗のもとです。まずこの長男が初めにすべきことは、相続人全員にまとめ役になることを伝え、了承してもらうことなのです。まとめ役が謙虚で公平であるほど、話し合いはスムーズに進むものだからです。

次に、まとめ役がすることは、相続人の個々の主張を聴くことです。

ここで注意したいのは、可能な限り個別に主張の聞き取りをするということです。仮にオープンな家庭であったとしても、人には言いづらい主張があるかもしれません。法事や法要などの皆がそろう席で話し合えば手間が省けるかもしれませんが、言いたいことが言えない状況は不満を生みかねないということを覚えておくとよいでしょう。

さて、ここで長男の主張です。

実家で同居していたわけですから、実家の土地と家は長男が継ぐことは誰もが当然だ思っているかもしれません。そんな暗黙の了解に、「当然だ」という顔をすることは、また不満に繋がるものなのです。現在生活の基盤になっている実家は、自分に継がせて欲しいと謙虚に誠実に伝えること。そういう謙虚さが話し合いを円滑にします。

ここまできたら、あとは聞き取った主張を基に、叩き台を作ります。専門的なことや、わからないことがあれば、専門家を頼ることも有効です。

そして最後に、出来あがった叩き台を前に相続人全員で話し合いをします。相続人全員の主張を盛り込んだ叩き台であれば、すんなり遺留分割協議は終了することでしょう。

とはいえ、相続人全員の主張を全て盛り込むことは難しいかもしれません。遺産が平等に分割できる物であるとは限りませんし、感情的なものもあるからです。次項では、その点について詳しく述べていきます。

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