老父の再婚、父の幸せを考えるべきか、将来の禍根を立つべきか、それが問題

母亡き後、立派に子供を育て上げた父親が「再婚をしたい」と言い出したら、子どもであるあなたはどう思うでしょうか。成長して家を出てしまった手前、老父が一人で生活をしなくなったことに安堵をするのか、それとも、将来父が亡くなったことを見越して、相続の心配をするのでしょうか。

「1人暮らしが心配だったので安心ではありますが、父亡き後に実家はどうなるのか、心配です。」東京都杉並区の河本洋介さん(40)=仮名の戸惑いこそが、子供の本音でしょう。

河本さんは、そんな心配事を抱えたまま再婚に賛成はできないと父親に相談しました。

実家は父名義ではあるものの、実母が共働きで苦労して建てたものであり、母の残した預貯金も残っていたからです。そんな子供の心配をよそに父親の出した解決方法は、再婚相手から相続をしない旨の誓約書をとることでした。

しかしこれでは子供の不安は解消されません。何故なら、被相続人が存命中にした相続放棄の約束は、たとえ書面を取り交わしていても法的な効力はないからです。

つまり、再婚相手が相続放棄をしたから結婚を許しても、いざ父親が死んだ時に法定相続人として再婚相手が相続を主張すれは、法にのっとって財産を分けざるを得ないのです。

これを解決するのは、財産を残す父親にかかっています。父親が再婚相手に相続をさせない旨の遺言書を残すことだけが、この問題を解決することができるのです。さらに、再婚相手に自らが主張できる最低限の財産分与を放棄する旨を家庭裁判所に申し立ててももらえば、子供たちも実母の残した財産を守ることができ、老父の再婚に前向きになれるでしょう。

子供の手が離れ、第二の人生を歩き出そうとしても、死後の財産分与という大変な仕事は残っています。円満な家族関係の中で人生の終焉を迎えるためには、自らが前向きに自分の死後のことを考え、できる限りの手続きをとっておくことが大切。この例をとってみても、いかに終活が重要であるのか、分かると思います。

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