暦年課税贈与は毎年110万円までが非課税

贈与を受けるときには、次の2つの方法があります。

①暦年贈与

②相続時清算課税

「暦年贈与」は贈与を受けた年ごとに贈与税の申告も行い、その時点で納税の手続きも終了する方法です。

一方「相続時生産課税」は、生前に贈与を受けた分の贈与税もとりあえず保留にしておき、相続が発生したときに、贈与分も含めて相続税を計算する、という方法です。

「暦年課税」の最大のメリットは、毎年110万円の基礎控除があることです。1年間に110万円の範囲内であれば、無税で贈与を受けることができます。毎年定期的に「暦年課税」を利用すれば、10年で1100万円、20年で2200万円の贈与を非課税で受けることができます。

毎年、贈与税の申告を行っている人は30数万人います。相続税を支払う人が毎年数十万人であることを考えれば、暦年課税を利用して贈与を実践している人は多いと言えるでしょう。

暦年贈与を受けている人のうち、約8割の人は贈与額が年間400万円以下です。しかし、相続税まで含めたトータルの節税効果で考えると、実は年間400~600万円程度の贈与を受けるのが最も有利なのです。

例えば資産3億円のAさんが、子供に毎年110万円の贈与を行っていった場合、10年間で1100万円が贈与税ゼロです。結果贈与財産は2億8900万円の相続財産になり、相続税の節税額は約360万円になります。

一方、同じく資産が3億円のBさんが、子供に毎年400万円の贈与を行っていった場合、贈与額は10年で4000万円になり、贈与税は335万円かかりますが、贈与財産は2億6000万円になり相続税の節税額は1300万円になるので、差し引き965万円の節税となります。

このように、毎年の贈与には贈与税がかかっても、相続までトータルで考えれば、Bさんのケースのほうが有利になるのですが、この方法はほとんど利用されていません。単純にあまり知られていないこともありますが、それ以外にも3つほど理由が考えられます。

1つめは、目の前の贈与税を支払うのは嫌だという、感情的な理由。

相続税まで見据えた、長期的な節税を考えた方が得だとわかっていても、今すぐ税金を払うのは損をした気分になってしまうのです。

2つめは、贈与する親の方が、高額の贈与をためらってしまうもの。

毎年、400~600万円もの贈与をすると、子供が自立しなくなってしまうのではないかという不安感です。

3つめは、贈与は平等に行いたいという心情。

子供や孫に平等に400~600万円の贈与をするのは金額的に大変ですから、110万円にしておいたほうが良いのではないか、と考えてしまうことも多いようです。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る