葬儀社のスタッフ教育は葬儀社の義務と責任

葬儀社は、スタッフに対してどのような教育をしているのでしょうか。
ほとんどの葬儀社は「今の人材の持っている能力をレベルアップできる
ように教育していく」「各々のスタッフが今、当面の仕事をこなすため
に必要な能力を身につけるように教育する」「数年後の事業展開を見据
えて、未来に必要になる人材を予想しながら教育していく」というよう
なスタッフの能力開発に前向きの姿勢を見せています。

しかし一方では「人材育成、能力開発には特に方針を決めていない」と
いう、スタッフ教育を放棄しているような葬儀社もあります。

葬儀社は、サービス業です。しかも人の「死」に対しての儀式のサポー
トです。言うなれば一番デリケートな部分での仕事。大切な人を失って
混乱していたり悲嘆に暮れていたりする遺族のメンタル面を考慮しなが
らも、葬儀という一大イベントを成功させなくてはならりません。

祭壇の設置ができる、遺体の処置ができる、見積書を作成できるという
のも葬儀においては必要なスキルですが、ノウハウだけマスターしても
務まらないのが葬儀なのです。葬儀の施行や顧客への接し方、そしてホ
スピタリティなどは、だいたいはベテランの先輩社員から学ぶもの。

ホスピタリティとは、相手を思いやる心であり、心からのおもてなしと
いう意味。サービス業ではホスピタリティなくしては務まりません。顧
客に対してしっかりと対応することは、サービス業では当然のマナー。

その上で「心」がなくては、ホスピタリティにはなりません。よくベテ
ランの葬儀スタッフは「この仕事は慣れなくてはいけない。けれど慣れ
きるのはもっといけない」と言います。慣れなくてはいけないのは、遺
体を扱うことや家族の悲嘆に暮れる場面に立ち会うことです。

今日、初めて出会った見ず知らずの他人の遺体を抱き上げてストレッチ
ャーに乗せることには慣れなくてはいけません。葬儀スタッフが、遺体
に慣れずにびくびくして怖がっていたら、遺族が不安がります。手際良
くしかも丁寧に遺体に接するには、こういう場面に慣れていかなければ
ならないことは必須条件。しかし慣れ過ぎて遺体に関して何も感じなく
なり、遺体をモノのように扱うことはさらに大問題であるということ。

遺体に対して常に敬意を払い、心をこめて接することが何よりも大切な
ことです。ですから葬儀スタッフには資質が問われるのです。葬儀に関
するすべてのことをマニュアル通り完璧にできたとしても、それが良い
葬儀屋とは限らないのです。心から死者を敬い、遺族を思いやることが
できる人材が一番葬祭業に向いているということです。

ホスピタリティが充実していれば、後は業務を覚えるだけ。先輩の良い
ところは見習いつつ、自分にとってのホスピタリティを見つけて実行で
きるように促して行く教育がもっとも必要なことです。

遺族に感謝される葬儀スタッフは、皆、心をこめて遺体や遺族と接して
いる人です。「心」を教育するのは非常に難しいことですが、現場に出
て様々な人と出会い接しているうちに学ぶこともを多いと思います。も
しかしたら遺族が最高の先生なのかも知れません。

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