有料老人ホームの先進国アメリカの知恵に学ぶこと

健康な入居者の中には、認知症の入居者と一緒に生活したくないと思ってい
る人もいます。全く感覚がずれて、夜昼の区別も出来なくなって、人の話を
受け付けない入居者を見ていると気分が滅入ると思います。

健康な入居者と認知症の入居者とが共同生活をすると、所内が段々に暗くな
っていくようです。

健康な入居者は、自分はまだこんな認知症にはなっていないという安堵の気
持ちと、近い将来の自分はこうなるのかという落胆する思いが交錯します。

気持ち良く生活したいと認知症の入居者に話しかけても、コミュニケーショ
ンが通じないもどかしさもあります。

特別養護老人ホームには、重度の要介護の方がほとんどです。寝たきりの人
がほとんどで、車椅子に座っている人は、うつろな目で物思いにふけったり、
ぶつぶつと何か一人言を言っている状態。

認知症の入居者と健康な入居者との共同生活をどのようにしていくかは大き
な問題。これは、認知症の入居者をどのように看護するのかの問題にも。家
族で看護する場合の問題も同じ。高齢になると家族や周りの健康な方々に看
護される方が幸せだと考える人も認知症の高齢者を看護するとなると、看護
する側が憔悴するほどに疲れ果てます。

介護先進国のアメリカでは、認知症の入居者と健康な入居者と、生活する建
物を分けています。介護センターを隣接して設けて認知症が進んだ入居者を
移しています。ただ、入居者は相互の建物を自由に行き来できるようになっ
ているようです。

認知症の入居者を完全に隔離状態にすると、かえって寿命が短くなるという
研究結果もあるため、このような措置をとっているようです。

介護する側が認知症は病気であると認識することがポイントで、騒いだり、
徘徊したりすることをとがめることによって、静かにさせたり、徘徊を止め
させることはできません。

脳が障害によってバランスのとれた行動にならないだけです。認知症の人は
正しいことをしていると信じきっています。ですから、否定しないですべて
を受け入れることが必要。

たとえ間違った行動であっても受け入れ、話しを聞き、精神的に不安定にさ
せないことが必要。認知症が進むと記憶力や理解力は低下し、さらに物忘れ
が多くなってきます。直近の行動は記憶が途切れ、自分は何をしようとして
いたかの目的すら忘れてしまいます。

介護する方が怒ると、敏感に反応してそれ以上に怒りだします。認知症は自
分の主張を曲げられない病気。相手の言葉の意味を分かっても、自分の言葉
で表現できないもどかしさで、混乱します。しかし怒っていても直近のこと
を直ぐに忘れてケロッとする時もあります。

また、食事を食べたばかりでも、まだ食事をしていないと言う場合がありま
す。本人は信じ込んでいますから、否定しても納得はしません。今から食事
を用意するからね。とか、もう直ぐだからね。とか、本人を認める言葉が必
要です。

あなた様はどちら様ですかと、家族の名前が全く分からなくなることもあり
ます。何をバカなことをいっているのと、きつく言い返すことではなくて、
優しい気持ちで落ち着かせるように言ってあげて下さい。

徘徊する認知症の人には理由があります。外出したいという気持ちで出るに
は出たが、外出の目的も帰る方向も分からずになって徘徊状態となってしま
うのです。叱ったり、部屋に鍵をかけたり、軟禁状態にするのは、かえって
不安をあおるようなもの。事故にあったり、行方不明にならないかご家族は
不安で一杯になってしまいます。

そんな時は、ナビで居場所が分かる携帯を渡したり、本人の名前と連絡先を
書いたメモをポケットに忍ばせて下さい。後で一緒に行こうね。と本人に納
得させ、ご家族で一緒に行動することを習慣付けられるとトラブルは少なく
なります。

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