有料老人ホームには、積極的入所の方が幸せな理由

老人ホームに入所する時期について、家族で介護できなくなって必要に駆られ
て入所を決める場合と、自ら決心して元気な内に入所する場合と、どちらの場
合が幸せなのでしょうか。

前者が消極的入所、後者は積極的入所と呼ぶとすると、消極的入所は、現実の
シャバの世界を限界まで楽しみ、入所を出来るだけ遅らせようと考えているよ
うです。

夫の死後にひとりぼっちの寂しさからか、有料老人ホームに入居してくる老婦
人が増えています。

積極的入所は、日常生活が出来なくなる前に、自ら決断して周りの人達に迷惑
をかけまいと考えているようです。元気な老夫婦が二人で入居する場合もあり
ます。現在の状況は、消極的入所の方がはるかに多いですが、積極的入所の場
合の幸福度にもっと目を向けるべきと思います。

入所して間もない間に亡くなる方もいますが、多くは長い期間にわたって老人
ホームで生活することとなります。

消極的入所となった方でも、入所後に安心してゆっくり死を待つという人はい
ないと思います。生きがいは生きている限り求め続けるもので、健康で長生き
は生きがいがあってのことです。

入所してからの人生もまた長いものと成ります。たとえ体が動けなくなっても、
生きがいを求める気持ちは変わりません。90を過ぎた方でも10年満期の定
期預金を契約するのに、周りは驚いても本人は違和感を感じません。

家族が老親に代わって施設の見学に来た時には、家族は老い先短いことを考慮
しますが、入所する本人が見学に来た場合は、老い先短いことは判断材料に入
れません。本人は永遠に生き続けると思っているのではと思います。

入所する本人にとって、信頼する家族が、自分のことを老い先短いと考えてい
ることは大きな落胆です。家族の負担が、出来るだけ最小になるようにとだけ
考えているなら、遺産ができるだけ多く残るように、できるだけ安価な老人ホ
ームを捜し回る。そんな家族は信頼できません。

しかし、現実は、家族の考えに大きな違いはありません。入所する自分の思い
と家族の考えには、埋められない大きな溝があります。

老人ホームの入所に関しては、たとえ信頼できる家族であっても自分の将来は
委ねられません。

従って、入所する老人ホームは、入所する人が自ら見学し、自ら選んで契約す
ることが、もっとも良い方法。人に委ねることなく、自ら判断し、自ら入所す
ることが、入所後の人生を生きがいのあるものに出来ます。

介護できなくなって家族に引き連れられて老人ホームに入所するのは、入所後
の生きがいに、スタートラインに立たずに引きずられて出発するようなもので
す。引きずられて出発させられても歩き出すのは自分自身でしかありません。

前向きに入所するか否かで、入所後の生きがいが違ってきます。家族は老人ホ
ームに入れた後の老親の生きがいまで目を向ける必要があります。老人ホーム
は死へ旅立つ前の待合所ではありません。老人ホームに入れてほっと胸をなで
おろして安心するのは、どこか間違っています。

老人ホームでは、事務職員、園長、生活相談員、栄養士、看護士、医師や入所
している方々との関りがあります。食事、リハビリ、入浴の他に、施設と催す
イベントもあります。

入所する老親にとっては、新たな世界へ飛び込む緊張もあり、目を輝かし、老
化して眠っていた細胞が再び活動を始めるところです。

毎日の規則正しい生活と人々とのふれあい、人間的な幸福感に存分に浸れると
ころが理想的な老人ホームです。健康な内に自ら進んで老人ホームに入れば、
老人ホームの生活に慣れて生きがいを見つけ易くなります。老人ホームでの生
きがい作りにもっともっと目を向ける必要があるでしょう。

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