入居契約書に「解約特例」の記載があるか

消費生活センターや国民生活センターに寄せられた相談件数は増加の一途です。
トラブルの中には資金繰りなどを理由に返金支払遅延に関するものもあって、
経営が危ういことをうかがわせる有料老人ホームもあって、事態は深刻です。

入居者は一旦入居すると、高額な入居一時金を用立てしなければならず、転居
が難しく、容易に苦情や相談をすることができない状況にあって、潜在的な相
談件数は少なくないと考えられています。

また、業界団体も自主ルールを策定して改善化を図っていますが、業界団体へ
の加盟率が低くて実効性が上がっていません。

有料老人ホームのトラブルの内、最も多いのは、入居後に事情があって退去す
る場合に、入居時に支払った高額な入居一時金の返還に関するトラブル。

このトラブルを防止するには、入居時の入居契約書に何が書かれていて何が書
かれていないかの注意が必要。入居契約書を施設の見学の時に渡され、あるい
は、ホームぺージにも掲載されているところは、透明性が高いといえます。

見学の時に請求されても見せるだけとか、契約時とか入居後にはじめて渡すと
ころもあります。一般的には見学の時に請求しなければ、手渡さないどころか
見せることもしない有料老人ホームがほとんどです。

この入居契約書に、解約特例というのが記載されているはずです。解約特例は、
短期解約特例制度として規定され、有料老人ホームに入居後3ヶ月以内に退去、
あるいは契約を解除する場合に、入居一時金などの前払金の全額が返還される
規定。

入居した日から三か月であれば前払い金が返還されることから、90日ルール
とも呼ばれ、いわゆる有料老人ホームのクーリングオフ制度。この解約特例が
記載されていれば、入居一時金が高額でも、入居後に施設になじめなくて3ヶ
月以内に契約を解除しても全額が返金されるので安心です。

入居一時金については、日々減じていく償却という記載もあるので熟読する必
要があります。償却期間を過ぎれば、入居一時金は償却されとして返還されま
せん。

また償却期間の他に、入居した時点で償却される初期償却という記載があって、
その償却割合も有料老人ホームによって異なるので確認が必要。この初期償却
が全額の場合には、入居時点で償却されるので退去時期によって入居一時金が
返還されない可能性があるので注意が必要です。

入居一時金の中には、この初期償却以外にも「入会金」「施設協力金」などの
名目で返還の対象にならないものがあるので確認が必要。

また、入居者保護の観点から各都道府県に対しては、立入検査権が付与される
と共に、有料老人ホームが倒産するかもしれないことを想定して、入居一時金
の保全が有料老人ホームに義務づけられています。

返還対象金額について、500万円か返還債務残高のどちらか低い方の金額の
「保全」が義務づけられています。

ただ、2006年4月以前の有料老人ホームについては「保全」の義務が無い
ので確認が必要です。

次に、料金や設備や人員など、細かく明示されている重要事項説明書の交付が
有料老人ホームに義務付けられています。

これは、各都道府県を通じて厚生労働省が行政指導で有料老人ホームにつくら
せているもので、入居を検討する場合には、この重要事項説明書を比較検討す
ることにより、運営状況が見えてきます。

有料老人ホームのホームぺージに入居契約書に加えて重要事項説明書が掲載さ
れている有料老人ホームは、透明性が高い有料老人ホームといえます。

また、都道府県によっては、登録されている有料老人ホームの重要事項説明書
一覧をホームぺージで公開して比較して入居を検討できるところもあります。

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