職員の定着率がホームの質を左右する

有料老人ホームの善し悪しを見るには、職員の定着率を見るとおおよそ分かり
ます、働き易い職場なのか、働き難い職場なのかによって定着率は左右されま
す。

有料老人ホームの介護サービスはそもそも介護を必要としている人への接客業。
働き易い職場なら介護士に余裕があって笑顔が生まれ、質の高いサービスを受
けることができます。

介護士が2年も経たずに辞めていくのは、入居者のことを知り始めてこれから
という時に辞めるようなもの。介護士が入居者の常用している薬とか人となり
を熟知していることは、きめ細かい介護サービスを提供できるということ。

経験豊富な介護士がいるほどに、職員は働き易く、入居者は住み易い老人ホー
ムと言えます。

介護士の人数については、多ければ多いほど質の高いサービスが期待できます。

特別見学会では、できるだけ多くの介護士が出て対応しますから、特別見学会
の時の介護士の人数だけでは判断できません。

公正取引委員会は、看護師、准看護師、介護福祉士、ヘルパー二級など、有資
格者ごとに人数を広告に載せるように法律で定めています。パート職員につい
ては、週40時間に換算した人数を載せなければなりません。

しかし、未だに人数を明確に表示していないホームが多いのも事実。

また、公正取引委員会は、厳しいチェックさえしていないようです。

一般的に、介護従事者の定着率が悪い原因は、他業種と比較して年収が低賃金
であることも一因。特に、有料老人ホームの入居人は、多額の入居一時金を支
払って入居しています。

入所者は当然の権利のように高級ホテル並みのサービスを職員に要求してきま
す。また、職員の報酬も高給と見られています。しかし実際は、介護保険から
支給される金額は、介護報酬で規定されるので、いずれの介護施設でも同じ。

また、この介護報酬は、公務員給与に基づいて算出されるので、公務員給与を
上回って支給されることは絶対に有り得ません。しかも公務員給与は高過ぎる
という批判があるので、将来的に低くなっても高くなる見込みはありません。

それに、介護報酬は、介護従事者に直接支給されるのではなく、有料老人ホー
ム側に支払われるだけです。有料老人ホームの経費の2/3は人件費です。経
営者は、介護従事者をパート職員などにして人件費をいかに低く抑えるかが経
営手腕となります。

ですから、今のままでは介護従事者の給与は上げようがないのが現実。

このような業界ですから職員の定着率が悪いのは当然と言えます。給与が低く
ても働いてもらえるのは、介護職員の崇高な社会福祉精神に支えられているだ
けなのです。

もし、契約書で解約特例があると確認できたなら、90日以内の契約解除がで
きるクーリングオフが利用できます。入居者の家族なら90日以内に煩雑に通
い詰めて、これから安心して入居者を預けられるかをその間に判断できるでし
ょう。

この過酷な職場でなおかつ定着率が良い有料老人ホームは、よほどにチームワ
ークが良くて、入居者のことを熟知して質の高い介護サービスを提供してくれ
るに違いありません。

厚生労働省の指針では、有料老人ホームは、要介護者3人に対して介護士1人
以上を配置しなければならないことになっています。これは常に要介護者3人
に対して介護士1人が介護業務に就いていることではありません。

介護は休日も無く24時間体制が必要。これに対して、介護士は8時間勤務で、
年間120日ほどの休日も必要です。この体制で単純に試算すると、昼間でも
要介護者14人程度に介護士1人しか確保できない計算になります。

税金は、所得を再配分して平均化する役割があるなら、介護職員の社会福祉精
神にいつまでも甘えるのではなく、介護職員の年収をもっと増額して報酬から
して魅力ある職業にしなければなりません。

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