終身介護が保証されない終身介護

厚生労働省の調査では、認知症の人が現在、170万人います。さらに超高齢
化社会に突入して認知症は更に増え続けています。

有料老人ホームは、「終身介護」というふれこみで老人の終のすみかとなるこ
とが期待されています。

老親が認知症となると、家族介護ではあまりにも負担が大きいために、専門の
施設で介護しなければなりません。しかしながら、終身介護をする有料老人ホ
ームに入居しても、介護度が進むと手に負えずに、他の入居者に迷惑がかかる
理由で退去を勧告されることがあります。

終身介護を条件に、持ち家を処分して高額な入居一時金を支払って入居したの
に、あまりにも不条理な仕打ちです。しかも、途中退去では、入居時に支払っ
た入居一時金はほとんど戻らないことになります。入居一時金が戻らないので
別の有料老人ホームに住み替えることもできません。

終身介護をうたいながら終身介護でないなら、せめて契約時に、終身介護が出
来ないこととなる条件をはっきり明示しなければなりません。

終身介護と広告しながら終身介護が出来ないなら、政府や行政は終身介護がで
きるように有料老人ホームを行政指導するべき。しかし、広告表示の不当表示
問題として片付けています。

保険の除外規定のように、契約時に、読み難い細かい字で書かれた書類を示さ
れても、将来遭遇する事態まで想定して妥当か否かを判断することが素人では
できません。

分からないのが何がかも分からなくなり、面倒になって了解のサインをしてし
まうのが普通。

居住権も借地権も相続権もなく、その上、終身介護を宣伝しながらその権利が
無いなら詐欺そのものです。

実際に、医療施設が併設されていないと、一日24時間中で、終身介護を維持
することは不可能です。

介護度が進んでくると寝たきり状態となり、治療をしながらの介護となります。
終身介護をいう有料老人ホームの認可基準をもっと厳しくして、医療施設を併
設することを義務化して認可条件に入れるべきです。

また、有料老人ホームが提供する介護サ-ビスについても不明瞭なことが多く
てトラブルの原因になっています。保険給付の対象とならない介護サ-ビスは、
どのような内容のサ-ビスであって、金額はいくらなのかを明確にするよう表
示法で規定されています。

介護保険から支払われる介護報酬だけでは、よりレベルの高い介護サ-ビスを
することはできません。しかし介護保険の報酬外の経費であっても、よりレベ
ルの高い介護サ-ビスへの費用は少なく、大部分は、生活するに必要な施設利
用料といわれる居室費、食事費、施設管理費等、電気代、日用品の消耗品が主
なものです。

有料老人ホームは、消費生活センタ-に持ち込まれるトラブルがあまりに多く
て悪徳業界とも呼ばれています。トラブルを表示の問題として片付けようとし
ている政府の姿勢こそが間違い。有料老人ホームがやれることとやれないこと
を明確にし、介護サ-ビスの内容と金額を明示しただけでは問題解決はできま
せん。

また、増え続ける社会福祉費をこれ以上増大させないようにするため、都道府
県によっては、有料老人ホームの新規開設数を制限しているところもあります。

有料老人ホームの絶対必要数が不足しているところに、新規開設数を制限すれ
ば、益々入居する側の立場が悪くなります。有料老人ホームには、社会福祉法
人並みの手厚い補助が必要です。

増え続ける社会福祉費を減らすために、見て見ぬふりをするなら、入居する側
の負担が増大するばかり。

法律を知らなかったり、契約書に細かい字で書かれていることを理解できなけ
れば、入居者が契約書にある除外規定を見逃し、結果、有料老人ホームと入居
者とのトラブルの原因となりかねません。

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