契約書にあるあいまいな表現を見逃さない

契約書の役割は、合意した義務と権利、事実・内容を明確にして、双方の誤解
を防止し、安心して有料老人ホームを利用できる役目を果たします。

また、当事者双方に契約内容を遵守する責任意識を高めて、契約内容の実行力
を高めて喚起する効果もあります。さらに、万が一有料老人ホーム側とトラブ
ルを生じた場合には、契約内容の証拠となって、実行義務を強制することがで
きます。

このため、契約書を取り交わす前に、中身を充分に吟味することが重要。

契約書は、誰が読んでも同じ解釈が出来るように、曖昧さを排除する必要があ
ります。通常、有料老人ホーム側が作成した契約書は、有料老人ホーム側に有
利な内容になっていると考えなければなりません。

権利規定は有料老人ホーム側により強く与えられ、義務規定は曖昧で逃れ易い
表現になっている観点をチェックをしなければなりません。

一般に、色々なことを想定して契約書をチェックするのは、素人には難しく骨
の折れることで、面倒になって簡単に押印してしまいがち。しかし、トラブル
が生じた後では、目を皿のように見ても後の祭りなのです。

トラブルは、曖昧な表現や不当な内容が記載されている場合に生じます。双方
が都合のいい勝手な解釈で、互いに譲歩できなくなって生じます。ですから、
入居者側に不利な条項を見つけたら、抹消や修正を要求すべき。

特に解釈が分かれそうな業界用語は、用語の規定そのものを契約書に記載する
ように要求すべきです。もし、有料老人ホーム側が要求に応じることなく、納
得できない場合には、契約を見送る姿勢で臨まなければなりません。

契約書の文章は、一語一句をかみ締めて読み、契約書の文章に慣れていないと
曖昧な表現を見逃し易いので特に注意が必要。

例えば、「相当な期間」という表現がある場合には、いつからいつまでの期間
を言うのか曖昧です。「期間が○年間」という表現があっても、○年間はいつ
から始まるのかが明記されていないと意味がありません。

「協議により○○する。」という表現は、協議を重ねるがズルズルと結論が出
ないまま遅延させられた場合には、いつまで経っても○○できない可能性を秘
めています。

「著しく○○した時」とは、著しい程度が、都合のいい程度に解釈される可能
性があるので曖昧そのものです。「○○とみなす。」という表現は、軽度な行
為や状況であっても有無を言わさずに断定することになるので、不利な条件設
定でないかを慎重に考える必要があります。

「○○するものとする。」という表現は、経費や期間や労力が困難なものであ
るかどうかを問わずに○○しなければならない強制規定なので注意が必要。

逆に「○○したものとする。」というみなし表現は、何もしなくても、義務を
果たされたと解釈されることになります。また、「○○を確認する。」という
表現は、確認の程度が色々あって、形式上の確認でもしたことになるので、い
いように解釈できる曖昧表現です。

「○○を尊重して・・・する。」と有った場合にも尊重の程度が色々解釈され、
たとえ尊重の逆の無視であっても尊重している言い切られれば通用する曖昧表
現です。

また、「○○した場合には一部返金をします。」とあっても、見舞金程度では
納得できない場合があります。返金額に妥当性があるか否かの検討も必要です。

有料老人ホームの契約は、高額でしかも一旦契約してしまうと、解約して転居
することが非常に困難。契約書は、ケースバイケースの色々な事態を想定しな
がら、チェックする必要があります。

必ず一人で契約書を検討するのではなく、複数の身内と議論しながら、色々な
角度から確認していくことが必要。もし、納得できない文言があれば、納得で
きるまで、徹底して検証していくことが必要。

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