快適な有料老人ホームと地獄の在宅介護

有料老人ホームは、ホテル住いの快適さです。煩わしい日常生活から開放され
ます。食事や入浴も用意してもらって個室住いです。面倒で煩わしい確定申告
や国勢調査や公的な手続きも代わりにして頂けます。

体調が悪い時には病院へも連れていって頂け、薬も朝、昼、晩とその都度に区
分けして飲まして頂けます。入浴介助から、体が動けない時には下の世話まで
して頂けます。見方によっては、ホテル住い以上の快適なサービス。

事務職員、園長、生活相談員、栄養士、看護士、医師など複数の方々がきめ細
かく気配りして声をかけてくれ、皆さんのチームワークがとれて連携がしっか
りしていることを肌で感じて安心して暮らせます。困ったことがあれば、個人
的なことでも相談すれば、親身になって話を聞いてできるだけの対処をしてく
れます。

夜は夜で職員が交代で夜勤で見守ってくれます。24時間の完全介護です。

台風や地震、火事、停電などの災害や事故には、正確な情報を把握して必要な
避難や対処をしてくれます。動きの遅い老人に合わせ、手に手をとって、車椅
子に載せて、必要ならベッドごと避難をしてくれます。

毎日、規則正しい生活ができるので健康的です。毎日決まった時間に起床し、
朝食もしっかりとれます。栄養士が毎日献立を考えて、栄養バランスのよい
食事ができます。体調が悪い時には、特別食も作ってくれます。

ロビーや談話室で友達と談笑することもできます。図書室やお風呂の共用部分
も色々あって自由に利用することができます。
柔軟体操やリハビリ体操も指導して頂けるし、散歩にも付き合って頂けます。
体調の良い時には、季節感を感じるイベントも適宜開催してくれます。お花見、
盆踊り、お月見なども恒例になって毎年楽しみもできます。

忘れていた誕生日のお祝いだってささやかにでもしてくれます。

時には、家族もやってきて、楽しいひと時を過ごすことができます。家族の元
に一時帰宅する外泊も自由。

一方、在宅介護では、これほどのレベルの高いキメの細かい介護は望めません。
入浴や掃除や食事のワンポイントの介護をしてもらっても、生活のほとんどは、
自らの意思と行動が伴っていないと生活維持できません。

食事は残り物で、一食二食抜くのはあたり前。入浴しなくても垢で死ぬことは
ないと我慢し、汚れたままで一週間も過ごしてしまうことになります。

公的な手続きは複雑で煩わしいので後回しになり、ついには手続き期限を過ぎ
てしまったり、忘れてしまってそのままです。

更に痴呆の症状が高じてくると、忘れまいとメモしたことも忘れ、外出すれば
帰り道も分からなくなってしまいます。人に迷惑をかけまいと一人で頑張って
いても少しづつ日常生活ができなくなっていきます。

何かをすれば、上手くいかなかったり、失敗したり、トラブルとなるので、生
活ゾーンは少しづつ小さくなって、ついには部屋に閉じこもり、ベッドから抜
け出せなくなってしまいます。

こうなれば、在宅介護がバラ色の福祉制度とはとても言えません。日常生活を
きっちりやれる内は、家族と一緒に笑顔に包まれる生活を送ることができます
が、日常生活に介助が必要な状態になってしまうと、家族に大きな負担がのし
かかり、状況が一変することになります。

家族が介護のために、仕事を辞める「介護離職」という言葉も聞かれるように
なっています。

民生委員の方々は、地域に年々増え続ける独居老人が社会から隔絶されて孤立
化することを心配しています。一人住いの老人には特に配慮をして定期的な訪
問活動をしてくれます。昔から人に迷惑をかけたことがないと粋がっていても、
人に迷惑をかけまいと思っていても、老いには勝てずに、いずれ誰かに頼って
生活介助をして頂く事態になります。

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