介護居室は個室介護であるかどうかがポイント

有料老人ホームの見学の際には、認知症の人を介護する介護居室を見せてもら
うことが重要です。ただ、プライバシー保護のために見せられないというホー
ムも多くあるのも事実。

しかし、入居後に認知症になった時に、介護がどのようなところでどのように
されるのかは、あらかじめ知っておくことが必要です。

ここで重要な点は、介護居室が相部屋介護ではなく、個室介護であることを確
認できるかということ。

日本では福祉施設の規模を表す単位はベッド数ですが、福祉先進国のデンマー
クやスウェーデンでは部屋数です。これは、日本では相部屋と個室とが混在し
ているため。

相部屋は、一見、少人数で効率良く介護ができるように見えますが、様々な弊
害があります。誰かが風邪などにかかれば、インフルエンザなどの病気が、体
力の弱った老人にたちまちの内にうつります。

認知症の程度も様々で、周囲に少なからず迷惑をかける人がいたり、迷惑をか
けまいと周囲に遠慮する人もいます。

身の回りのことが自分でできていた人が、相部屋に入ると、数ヶ月で本物の寝
たきり状態になる人がいます。相部屋では、介護の質は格段に低くなり、とて
もまともな介護はできません。

更には。相部屋に移して居室の占有面積が増えたとして別料金を徴収する有料
老人ホームがあります。

福祉先進国のように、丁寧な介護ができる完全個室化が望まれます。もし、コ
スト低減のために相部屋がどうしても必要なら、入居費を安くして健康な人で
希望する方に限定して相部屋に入居してもらう方がまともです。

認知症になれば個室に移ってもらって手厚い介護をするなら分かります。

今は完全に逆です。

健康な時は個室に入れ、認知症になれば相部屋に移り、手に負えなくなれば退
去勧告。あるいは、元気にクレームを付けられる人が個室になり、反論する気
力も体力も無くなった人が相部屋に入れられるという図式です。

これでは何のために有料老人ホームに入るのか、その意味さえなくなります。

経営者の中には、高額な入居一時金を支払った人の償却期間が経過するまでは
無理をしてでも個室に入れたままにし、入居一時金を返却しなくてもよくなる
償却期間が過ぎれば相部屋に移すという経営者もいます。

経営者も入居者も償却期間を指折り数え、償却期間が満了となれば、入居者に
とっては、これからぞんざいに扱われることを覚悟しなければなりません。

従って、優れた有料老人ホームでは、認知症や重度の要介護度になった時に、
相部屋ではなくて個室介護をしています。

個室介護をしているかどうかが、最も重要なチェックポイントといえるでしょ
う。

有料老人ホームへの入居を考えている人は、ほとんど健康な人が入居している
ところばかりを見て回っています。有料老人ホームの本当の価値は、入居者が
認知症になって介護状態になった時の有料老人ホームの対応で決まります。

介護度が進んだからといって、人生の終着駅に近づいたところで手放され、放
り出されるなら、有料老人ホームへ入居する意味はありません。

介護の実態を知るには、主に要介護度3以上のほとんど寝たきり状態の人が入
居している特別養護老人ホームの見学をお勧めします。

自治体が運営している特別養護老人ホームでは、市民ボランティアも募集してい
ます。元気な内に市民ボランティアを希望してホームで数日でも働ける機会を得
られるなら、運営の裏の裏まで見ることができます。

有料老人ホームでの介護サービスの料金の適切性も分かってきます。

人生の終の住みかを決めるのですからそこまでして慎重に見るべき。老いて寝た
きりになってから悔いても、もはややり直すことは自分自身だけの力では出来ま
せん。

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る