ホームで葬儀をする割合から、ホームの良し悪しがわかる

有料老人ホームに入居していて亡くなった場合に、ホームで葬儀をあげる場合
があります。特に都市部では、生活していた住宅やマンションを処分して有料
老人ホームに入居してきた方が多くいます。この場合には、ホームに転居する
前の地に戻って葬儀をすることはまずありません。

既に生活の場所はホームに移っています。ホームの一室を借りて葬儀をあげる
か、ご遺体を引き取って家族葬を別な葬儀場ですることもあります。あるいは、
葬儀を省略してご遺体を火葬場に直行することもあります。

亡くなる前後のご家族の受け止め方は様々で、一人の人生模様を死んでもなお
かつ写し出していきます。火葬場でも遺骨を納めるお墓が無いので、火葬場で
処分して欲しいと言っていく方もみえるそうです。

このような状況を見るにつけ、家族の繋がりを希薄にしているのは、有料老人
ホームではないかと思うと、悲しさがこみ上げてきます。 また、亡くなった
事実は入居者や職員にも伝えなければなりません。

所内全体に悲しみが交錯します。次に亡くなるのは自分かと身につまされる入
居者もいます。亡くなった原因も気になるところで、介護サービスが行き届か
なかったことはなかっただろうかと職員は自問することにも・・・。

数年間も有料老人ホームで生活を共にしている人々は、悲しみも喜びも分かち
合い、共有して、ご家族と同じ思いで死者を旅出させます。

ご家族は個室を整理して明け渡すことも必要になります。遺品の一切合がっさ
いを持ち帰らずに処分していく方もいます。また、亡くなった場合の葬儀のや
り方はご家族の判断で様々な形になる場合も・・・。

通常は、ご家族が月に一度か、年に数度、ホームを訪問して入居者と面会して
いき、ホームの様子を見聞きして職員にも接しています。もし、入居者がホー
ムに対して大きな不満を抱えていたのなら、ご家族の耳にも入っています。

ご家族にとっては自宅で介護できないので、仕方なくホームに入居させていた
という申し訳なかったという気持ちがあるのが普通です。せめて葬儀だけは、
亡くなった方の気持ちを尊重してと思うのは当然。

「人生の最後までこのホームで過ごすことが出来たし、親切な看護士さんや職
員の皆さん、入居者の皆さんに看取られて亡くなったのですから、ささやかな
葬儀でもホームであげさせて頂けませんか。」と言われれば、ホーム側は喜ん
で応じます。

最後にお世話になった皆さんにお線香をあげてもらえれば、亡くなった入居者
も喜んでいると思います。

職員や他の入居者にとっては、「亡くなっていつの間にか消えるように居なく
なった」ではなくて、亡くなった事実をきっちり受け止めてもらい、心の整理
のためにも、ホームで行う葬儀は意味のあることです。

それでこそ、終の生活をホームで共に過ごしたことが価値のあるものになりる
と思います。

有料老人ホームで亡くなった場合に、どれほどの率でホームで葬儀が行われた
かは、有料老人ホームの良し悪しを判断する上で一つの参考になります。

全国の消費生活センターに寄せられた有料老人ホームに対する苦情やトラブル
が、6年間で900件近くにもあるのは、極めて異常です。有料老人ホームに
は、数々の不満が渦巻いていて、表面化しない数字を想定すれば空恐ろしくな
るもの。トラブルの少ないまともな有料老人ホームはほんの一握りと言えます。

従って、ホームで亡くなった場合に、不満やトラブルを抱かえているご家族は、
恨みこそすれ、苦情対象のホームで葬儀をするとは考えられません。一般的に、
有料老人ホームで亡くなった場合に、ホームで葬儀をする割合が3割以上なら、
トラブルの少ない有料老人ホームであると言われています。

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