一人一人の「老後」を、みんなで支える社会へ

サービス付き高齢者向け住宅の建設地域の偏りと、サービスの質の悪さを指摘する声が増えたことを受けて、国土交通省はサービス付き高齢者向け住宅の整備などの在り方に関する検討会を平成26年9月8日に開催し、検討を始めました。

この検討会は今後5回開催され、遅くとも平成27年3月までには、サービス付き高齢者向け住宅に関する補助事業の見直しなどを含む具体的な対策を立てる見通し。この検討会の成果は、次期住生活基本計画(計画期間16年~25年)」や予算などの制度改正に反映され、超高齢化を迎える社会基盤の整備に反映されていきます。

この検討会の冒頭で、国交省の橋本公博住宅局長は「これまでは、民間の力を借りてサービス付き高齢者向け住宅をたくさん供給することが至上命題だった。民間の自由な発想と自由な活動に任せて、今では15万6000戸を超える数となった。だが昨今、様々な課題も生じてきている。例えば、サービス付き高齢者向け住宅が街なかではなく郊外に多く建てられていること。また、数あるサービス付き高齢者向け住宅の中にはサービスの質が良くない施設もあると指摘する声も上がっている。これらの状況から、検討会をスタートさせることを決めた」と、検討会開催に至る経過と、我々の社会が抱える問題について説明しています。

サービス付き高齢者向け住宅が抱える問題を正確に把握するため、まずはサービス付き高齢者向け住宅の実態調査を行う必要があります。そして9月~10月頃には入居者の実態やサービス水準などを把握するためのアンケート調査に進み、遅くとも11月までには、事業者へのヒアリング調査を実施して、その改善策を模索していくことになります。

これらの調査結果を礎に、問題が指摘されたサービス付き高齢者向け住宅の適正な立地の在り方や、サービスの在り方、補助制度の見直しなどについての検討が行われる予定。この検討会ではそれだけにとどまりません。サービス付き高齢者向け住宅事業者の登録基準の見直しや、空き家を活用した低所得高齢者向けの住宅の構築など、社会が高齢者サービスを支えていくために何が必要であるのか、より踏み込んだ議論を行うことも想定しています。

橋本住宅局長は「特に、市町村の福祉行政とうまく連携したサービス付き高齢者向け住宅の供給の在り方などについて議論を進めたい」と検討会に期待を寄せています。検討会の結果によっては、省令などの改正も視野にいれ、補助事業の見直しも予算編成のタイミングなどを狙って行っていくとのこと。

東京大学大学院工学系研究科の大月敏雄教授。弁護士で東洋大学法学部の大森文彦教授。明治大学理工学部の園田眞理子教授。国際医療福祉大学大学院の高橋紘士教授。東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授。サービス付き高齢者向け住宅事業の将来を担うのは、高橋教授が委員長を務める、この5人の検討会メンバー。

これらのメンバーの他に、国交省住宅局や厚生労働省老健局がオブザーバーとして検討会に参加することが決まっており、行政官の横断的な連携にも期待が持てるといえるでしょう。

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