ケアプランについて知っておくべきたった一つのこと

ケアプランには具体的なケア内容や利用するサービス事業所の他、何日
の何時にどのサービスを使うのかなどの情報が記載されています。そう
いった項目は具体的なもので、人によってあまり大きな違いがある部分
ではありません。なぜなら介護サービスとは生活している上での最低限
な生理的(食事、排泄、入浴などの)欲求を満たすためのものだからで
す。

もちろん心身状態や病気、障害は多様なので、それぞれの個別の状態像
を考えてケア内容は記載されています。ここはやはりケアの経験が必要
とされる部分であり、家族が意見を言うことは難しいかもしれません。

さらにケアプランには「利用者・家族の生活に対する意向」について記
載する欄と、ケアの長期目標を設定する欄があります。ここは各人によ
ってまったく異なる文章が記載されるはずです。なぜなら個々の人間、
個々の家族によってその像がまったく異なるからです。

ここにある女性とその家族がいます。女性の年齢は80歳、10年前に
起こした脳梗塞で左側の手足に重度の麻痺があり、移動は車椅子、食事
は自立、排泄は日中はトイレでズボンの上げ下ろしの一部介助が必要。

夜はときどきトイレに起きるため、ベッド横にポータブルトイレを置い
ています。入浴は週に3回通っているデイサービスで行っています。要
介護度は3。同居の家族は仕事をもっている50歳の息子と専業主婦の
48歳の嫁、そして20歳の大学生と17歳の高校生の男女の孫。

ここに書かれた条件においてまったく同じ二つの家族、AさんとBさん
がいると想定します。介護保険でできることは限られていますので、ケ
アのサービス内容についてはたぶん大きくは変わらないと思います。

しかし、生活に対する意向についてはどうでしょうか?まったく同じと
なるでしょうか?たぶん大きく違ってくるはずです。というよりも、こ
の部分が同じであれば、ケアプランを作るという非常に手のかかる作業
はまったく必要なくなります。

この部分に「家族の意向」をしっかり反映させてください。家族からの
意見がないとケアマネージャーが困ることになります。なぜならその意
向は個々のお年寄りとその家族にとって非常に個別的だからです。その
ため、意向がはっきりしていないと、ケアマネがケアプランをどのよう
に作成すればよいか迷ってしまうのです。

各サービス事業者も、ケアプランをもとにしてケアにあたりますから、
何を大切にしてお年寄り本人に接していいか不明確なままになります。

介護はケアマネージャーや介護職のものではありません。介護を受ける
お年寄りとその家族のためのもの。ですから、しっかり介護事業者側と
コミュニケーションをとるようにしてください。そうしなければ、ケア
の内容がまったく変わったものになってしまう可能性があります。

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