介護保険と医療保険の併用と加算サービスについて
医療のレベルが上がり、昔なら治療できず亡くなっていた病気でも命を
救うことができるようになりました。それ自体は評価できることですし、
日本の医療制度は皆保険制度を背景とした非常に高度なものです。
しかし、医者がすっきり治せる病気が少なくなっていることもまた事実。
いわゆる慢性病が治療の主体に移ってきました。一昔前までは成人病と
呼ばれていた疾患群である高血圧や糖尿病などです。ゆるやかな悪化の
経過をたどる慢性疾患群。心不全、腎不全、肝臓疾患、慢性閉塞性肺疾
患などです。いずれも高齢者なら二つか三つはもっている病気です。
医療的ニーズが高い場合、往々にして要介護度も高い傾向にあります。
重度の寝たきりで病院への通院が困難という人は多く存在します。
そのときに訪問診療や訪問看護の必要性・重要性は今後も向上していく
でしょう。国も入院されるよりは医療費がおさえられますから、より高
度な医療ケアを自宅で受けられるように、という方向性を目指していま
す。例えば自宅で医療ケアを受ける場合は訪問看護が非常に重要です。
訪問介護との連携によって、難病や末期ガンなどの中重度の人たちに対
応しています。
例えば自宅でサービスを受ける前、本人がまだ入院している間、に病院
にケアマネや関係事業所のスタッフに来てもらい、退院後のケアについ
て話し合う場合もあります。この場合などは加算分として費用が発生し
ます。他にもデイサービスなどでも運動機能向上や口腔機能向上につい
ての加算をとっている事業所もあります。本人が実際に支払う負担分は
数百円程度ですが、支給限度額ぎりぎりまで使っている場合はケアマネ
ージャーに調整してもらう必要があります。
家で亡くなるためには、訪問診療を引き受けてくれる医師が必要になり
ます。日本の場合、10人が10人とも死因が老衰だと言っても、医師
の診察を受けていないと変死扱いされ、警察が入ることになります。
現在ではあまりない例だとは思いますが、かかりつけの主治医がおらず、
自宅で老衰で亡くなった場合は、警察には連絡せず救急車を呼ばれるこ
とをおすすめしておきます。