寝たきりの本当の原因は何でしょうか?

自力ではベッドから起き上がれず、日常の大半を横になって過ごしてい
る寝たきりとは、一体何が真の原因なのでしょうか?

寝たきりの老人は転倒や骨粗しょう症などによる骨折、脳卒中などのけ
がや病気によりやむを得ず療養生活を強いられていると思われがちです
が、実は病とは関係が薄く、単に長く横になっていることで体のあらゆ
る機能が低下した結果、自力では起き上がれなくなっているのです。

つまり高齢者は疾患そのものが悪化、長期化しているわけではないのに、
長く床に伏せていることで、見る見るうちに足腰の関節、歩行に用いる
筋肉が凝り固まってしまうのです。

特に拘縮と呼ばれる関節の凝固により、高齢者の自立度は一気に低下し
ます。こうして体を動かさない日が長引き、日常の運動量が少なくなれ
ば、体内の血流などの循環器、消化器や呼吸器などの内臓も徐々に機能
が低下していきます。

さらに高齢者が長期にわたり同じ姿勢で床に伏せていると、体とベッド
との接触部の血行が不全になり、褥瘡(床ずれ)もみられるようになり
ます。

つまり、けがや病気が引き金となり、一旦療養生活になると、使わない
筋肉や関節が凝り固まり、体の表面には床ずれが出来始め、さらに体内
の循環器や消化機能までもが弱まってくるのです。

この悪循環により寝たきり状態になることを廃用症候群と呼び、いずれ
は体を動かしたくても動かせなくなってしまいます。高齢者にとって廃
用症候群が恐ろしいのは、単に自力で起き上がれないというだけでなく、
生命に関わる疾患の危険性が高まることです。

一例としては、誤嚥性肺炎が挙げられ、これは寝たきりの状態によって
食べ物を飲み込み、消化する力が弱まってくることで、食べ物や口の中
の雑菌やウィルスが直接肺に入り込み、肺炎にかかってしまうことです。

厚生労働省の発表(2012)では、日本人の死亡原因は依然として癌
が最も多く、続いて心疾患、脳血管疾患、肺炎となりますが、肺炎だけ
はその9割以上が65歳以上の高齢者です。

そして、別の統計では、高齢者の肺炎の6割上が誤嚥性肺炎であると指
摘されています。このように食べ物を自力で咀嚼し、消化する機能が衰
えることが、高齢者にとっては直接死につながるリスクもあるというこ
とが分かるでしょう。

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